[虎四ミーティング]
内藤大助(元WBC世界フライ級王者)<後編>「引退後の夢」

二宮: 昨年11月に引退を表明しました。やはりリングを去るのは寂しさがありましたか?
内藤 もちろん寂しい気持ちがありますが、本当に悔いはなかったですね。正直なところ、才能のない僕が日本チャンピオンになれただけでも、すごいと思っていましたから。それが世界チャンピオンにまでなった。自分で自分に「よくやったな」って褒めてもいいんじゃないかなと感じますね。

ただ強くなりたかった

二宮: ボクシングをはじめたきっかけを改めて教えてください。
内藤 中学時代に受けたイジメがきっかけです。高校を卒業して上京しましたけど、本当は地元に帰りたくて仕方がなかった。でも、故郷に戻れば、イジメられたヤツに会ってしまう。そこからは何とか脱出したかった。そんな時、たまたま寄った本屋に格闘技の雑誌が目に留まりました。何の気なしにページをめくっていると、格闘技やボクシングを習えるジムが紹介されていたんです。その中のひとつが、たまたま当時の家の近くだった。「こんな近くでできるんだ」って胸が震えましたね。ボクシングなんて遠いところでやっているイメージがありましたから、ここに行けば自分を変えられるんじゃないかと瞬間的に思いました。

二宮: 強くなってイジメを見返したかったと?
内藤 ええ。最初はプロボクサーになるつもりはなかったです。分かりやすい話、ケンカに強くなりたかった。強くなれなくても、最低限、自分を守りたかった。僕は中学時代、イジメを受けて胃潰瘍にまでなった人間です。ちょっとでもいいから、強くなりたい。その一心でボクシングを始めました。当然、世界チャンピオンになるなんて考えてもいなかったです。約1年、そのジムに通って、もっと強くなりたかったので宮田ジムに入り、プロデビューしました。