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 ここにも隠蔽体質が! 上司の不正を通報したら異動、孤立、罵詈雑言の仕打ちが現役社員が実名告発「オリンパス地獄のパワハラ」
パワハラの実態を語る現役社員の濱田氏。これまで裁判に要した費用は500万円を超えるという〔PHOTO〕船元康子

「不祥事で世間を騒がせたことについて、社長から通り一遍の謝罪がありましたが、反省しているようには思えなかった。しかし、『この事態の中でも、従業員が業務に100%の力を発揮したことが嬉しい』などという話が終わると、なぜか会場中に拍手が沸き起こったんです」

 昨年10月、買収に関する不正な支払いを追及していたマイケル・ウッドフォード氏(51)の社長職を解任し、その後、巨額の損失隠しが明らかになったオリンパス。今年1月8日、同社は菊川剛前会長(70)ら19人の現旧役員に責任があるとして、計36億円の賠償を請求する訴訟を東京地裁に起こしている。

 しかし、その19人の一人である高山修一社長(61)が1月5日、東京本社で新年のあいさつを述べると、社員たちは、何事もなかったかのように拍手喝采したと、出席した社員は冒頭のように明かす。

「皆、抜け殻みたいに無表情で、気持ち悪い。反会社の人間は粛清されるからね。北朝鮮と一緒ですよ」(同社員)

 そのオリンパスで、まさに〝粛清〟を受け続けている現役社員がいる。4年間にわたり社内で不当かつ陰湿な扱いを受けてきた濱田正晴氏(51)がその人。その濱田氏が、会社を訴え二審で勝訴するまでの過酷な日々を、詳細に語った。

 濱田氏は'85年に中途入社。営業職として米国赴任中の'02年には、北米でトップセールスを記録している。順風満帆だった濱田氏のキャリアが大きく転換したのは'07年4月だった。高度な検査機器を扱うシステムグループの営業チームリーダーだった濱田氏は、上司である部長・A氏らが、重要な顧客である鉄鋼会社から、専門知識を持つ社員を引き抜こうとしていたことを知った。

「まず一人目が引き抜かれた際に、その鉄鋼会社の営業担当だった私は、先方の取締役に激怒されたんです。引き抜いた社員は先方のエース級だったので、社内情報が漏れることを危惧していました。しかし、A氏らは、さらに二人目を引き抜こうとしていた。これは、不正競争防止法に抵触する恐れもありますし、何よりもオリンパスが顧客からの信頼を失ってしまうのではないかと考えたんです」

 そう思った濱田氏は、まずA氏に引き抜きを思いとどまるよう進言した。しかし取り合ってもらえず、6月、社内の規程に基づき、コンプライアンス室に通報。同室長は濱田氏を呼び出し、「引き抜きが事実なら問題だ。調査、対処して連絡するので、今回の通報は誰にも口外しないように」と、念押ししたという。

 ところが、7月上旬、コンプライアンス室長からの回答メールは、あろうことか、当事者であるA氏や人事部長宛てにもCCで同時送信されていたのである。通報者の立場を守るという社内通報の基本が守られていなかったのだ。結局二人目の引き抜きは未然に防げたが、A氏は、濱田氏がコンプライアンス室へ通報したことが気に障った様子だったという。