井上久男「ニュースの深層」
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株価は30年前の水準にまで低迷!パナソニックを迷走させた中村邦夫会長は潔く責任を認めて去るときではないか

2012年01月25日(水) 井上 久男
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 1月24日、国会で初の所信表明演説をした野田佳彦首相は、「松下政経塾」の第一期生である。同塾は1979年、松下電器産業(現パナソニック)の創業者である松下幸之助氏が創設、「地盤、看板、カバン」のいわゆる「3バン」がない人材が政治家になれる道筋を作った日本のリーダー養成塾として知られる。

株価は30年前の水準に

 民主党の前原誠司政調会長、玄葉光一郎外相、今回の改造で初入閣した松原仁国家公安委員長(拉致問題担当相)はいずれも政経塾OB。福山哲郎前官房副長官もそうだ。政経塾OBではないが、鳩山政権で官房長官を務め、今回再入閣した平野博文文部科学相はパナソニック労組出身である。民主党政権は「パナソニック政権」でもある。

 民主党政治も全く駄目だが、本家筋のパナソニックの経営も絶不調だ。幸之助氏は草葉の陰できっと泣いていることだろう。

株価は30年前の水準に

 政治家の場合、選挙という「洗礼」があるため、無能と有権者から思われたら落選の憂き目にあう。

 しかし、大企業の経営者の場合、日本では株主や社外取締役からの圧力はほとんどないので、業績が悪化しても責任を取らずに逃げることができるし、悠々とその座に居座ることもできる。ほとんどのメディアも広告主を恐れ、オリンパスのような事件性の高い不祥事でも起こらない限り、大企業の経営者の経営責任を追及することはほとんどしない。

 今のパナソニックがまさにその状況に置かれている。今期4200億円の純損失に陥るが、浮上の気配が見られない。その証拠に24日の株価は640円と、政経塾ができた頃の30年前の水準にまで落ち込む。そればかりか、格下のシャープ(657円)や三菱電機(770円)にすら負けている。一般的に株価には将来の「期待値」も織り込まれるが、市場はパナソニックに期待をしていないということである。

 トヨタ自動車と並んで日本を代表する企業の凋落は、東日本大震災やタイの大洪水、欧米の景気の悪化などが原因ではない。はっきり言うが、「戦犯」は、00年に社長に就任以来、経営のトップの座にいる中村邦夫会長である。そして、社長でありながら中村氏の戦略ミスを軌道修正できない大坪文雄社長、経営企画担当の森孝博副社長の3人の「罪」も重いと筆者は考える。その構図を以下に説明しよう。

 

 

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