ニコチンパッチで軽度認知機能障害が改善する可能性!

 米国・テキサス州ナッシュビルにあるバンダービルト大学のPaul Newhouse博士らがNeurology 2012年1月10日号に発表した研究で、ニコチンパッチが非喫煙者の軽度認知障害患者の記憶力などを強化する可能性があることがわかりました。

 博士らは74人の非喫煙者で、かつ健忘性軽度認知機能障害をもつ患者を対象に、ニコチンパッチとプラセボの2群に分けて二重盲検法で効果を調査し分析しました。使用されたニコチンパッチは15mgのもので、毎日張替え、6ヵ月間継続的に使用し、認知機能は全般的な臨床評価と記憶力テスト、Connors Continuous Performance Test (CPT:コンピュータを使用した認知機能テスト)を使用して、患者の実験開始前と実験期間中、終了時点で測定、評価されました。

 実験後の評価の結果、実験開始前にはニコチンパッチグループと、プラセボグループの間に認知機能レベルの違いはありませんでしたが、終了時点ではニコチンパッチを使用していた被験者のほうが、文章記憶テストの結果が良く、コンピュータの認知テストの反応時間も短く、その他の認知機能もニコチンパッチ群の成績が良いことがわかりました。ただし全般的な臨床評価では2群に有意な差は見られませんでした。

 この結果から博士らは、少数の被験者による予備的な実験ではあるが、非喫煙・軽度認知機能障害患者に対しては、ニコチンパッチが有用である可能性が高く、今後大規模かつ長期の研究を実施して、臨床への応用の道を開きたいとしています。

医療ジャーナリスト 宇山恵子
Neurology 2012年1月10日号