田原総一朗のニッポン大改革

田原総一朗×堀義人(グロービス・グループ代表)×岩瀬大輔(ライフネット生命副社長)
「この悲劇を日本変革の機会に変えるために」

若手経営者に聞く3・11以降のニッポン VOL.1

2011年05月02日(月) 田原総一朗
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左から田原総一朗氏、岩瀬大輔氏、堀義人氏

田原: まず岩瀬さん、今回の東日本大震災をどう捉えていらっしゃいますか?

岩瀬: 非常に悲しい出来事ですし、いろんなことが変わっていかなければならないと思います。

 でも、それ以上に気になっているのは、実は日本が抱えている構造的な課題---一番大きなものは財政の赤字をどうするかだと思いますけど、他にも増税は必要なのかとか、年金、医療をどうするのか、あるいは経済を大きくしていくために企業の競争力を高めるようなことをやっていくのか、1400兆円ある個人の金融資産にもっと稼いでもらうために金融市場を活発化させるのかとか---といった課題に取り組むような震災前にあった動きが滞っている。

 そういう課題は3月11日の前後でも何も変わっていないんです。

 本来、直していかなきゃいけないそれらの課題が、今回の震災を機にむしろ取り組みづらくなるんじゃないかと危惧しています。

田原: 取り組みづらくなる? 逆に取り組みやすくなるんじゃないの。

岩瀬: こういった課題っていうのは、現在の非効率を直して新しいものを生み出していくものなので、必ず痛みを受ける人がいるんです。

 例えばいま「増税」というと非国民的な扱いをされるでしょう。「医療費をカットしろ、自己負担を増やしなさい」「年金の需給年齢を引き上げるとか金額を下げる」とか言ったら、たぶん「こんな大変なときに国民に負担を強いるのか」といった抵抗があるのではないでしょうか。

 本来なら、いまだからこそウミを出し切って構造的な課題を解決することも考えられます。しかし、結局、「いま大変だからそんなことを言うな」とか「どさくさに紛れて増税を言うのか」みたいな話が出てきてしまう可能性がある。だから、短期的、しかも国民の一部に対してなんですが、痛みを伴う改革を提案しづらいムードになっているように思っているんです。

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