震災から10ヵ月、日本列島はいまだ震え続けている。各地で気味の悪い「異変」が続々と報告されている。巨大地震は連鎖する—。怖れられていた事態が、ついに現実になろうとしているのか。
「地震の使い」が現れた
動物たちは、人間には感知できない"何か"を感じ取ることができると言われている。とすると、各地で連続している異変は、何の前ぶれなのか。
新年早々、東京港の青海コンテナ埠頭近くの海面に、クジラが白い腹を仰向けにして死んでいるのが発見され話題となった。
それは、体長10m以上もあるシロナガスクジラの死骸だった。東京湾にこれほどの大きさのクジラが漂着するのは極めて珍しいという。「大型船のバラストタンクの中に吸い込まれて死んだ」との見方もあるが、真相は謎である。
それ以前、1月2日には神奈川県小田原市の海岸にも、ザトウクジラの死骸が打ち上げられていた。同市では昨年12月にも酒匂川河口近くにクジラ種(コマッコウ)の死骸が打ち上げられており、同じ時期には静岡県でもザトウクジラ2頭が打ち上げられている。
こうした事象は、なぜか東京~静岡の太平洋沿岸で起きている。12月21日には静岡県牧之原市の海岸で、「リュウグウノツカイ」が打ち上げられているのを発見された。
リュウグウノツカイとは、大型のタチウオのような姿をした深海魚で、発見された個体は体長約4・5mという巨大なもの。その名の通り、まさに"竜宮の使い"といった異形だが、実はこの深海魚には不気味な異名がある。1000m以上の深海に住むこの魚が姿を現すとき、地震が起きる。すなわち"地震の使い"とも言われているのだ。
「通常なら深海にいる魚が浅い海域に移動してきて、打ち上げられてしまう。こうした異常行動に、地震が影響していることは十分に考えられます」
こう語るのは、生体電位学の権威で、東京女子大名誉教授の鳥山英雄氏だ。
「魚というのは、環境の異常に対して非常に敏感なんです。よく、地震の前にナマズが騒ぐ、と言われますが、あれは迷信ではなく科学的に説明できることです。海底で岩盤や断層が動くと電気的、化学的な反応が起こり、電磁気的な変化が起きると考えられています。それを、魚たちは感知するという理屈です。
1月1日に、伊豆諸島の鳥島近海でM7の地震がありました。リュウグウノツカイが打ち上げられたのは、その鳥島の地震と関係があるかもしれない。ただ、それが、地震の"後"の影響で起きたものなのか、それとも地震の"前"に現れたものなのか、判断するのは難しいところです」
実は似たような現象は、「あの日」の直前にも起きていた。昨年3月4日のこと。茨城県鹿嶋市の海岸に52頭ものクジラが打ち上げられ、地元で大騒ぎになっていたのだ。
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