官僚たちの岡田詣では始まっている。いまや完全に"岡田政権"となった野田内閣
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 先週のコラムで「岡田克也前幹事長の副総理起用案」が内閣改造前に外に漏れてしまったために、野田佳彦首相との関係で「岡田優位になる」と書いた。「政権における岡田の発言力は従来にも増して高まるだろう」と予想したのだ。

 それは的中した。官邸関係者が語る。

「いまや官邸内は完全に"岡田政権"ですよ。岡田は官邸入りすると、さっそく5階の副総理室に陣取って『野田総理に上げる案件はすべて事前にオレを通せ』と指示しました。それで官僚たちはさっそく岡田詣でを始めています。岡田は元通産官僚だけに野田と違って官僚の動き方、動かし方を知っている。その点でも強みがあります」

 野田にとって岡田は年齢も政治歴も上の先輩である。そのうえ、岡田は自分の意向と関係なく人事案が事前に外に漏れたのを承知で、副総理を受けた。野田とすれば三顧の礼でお迎えした形であり「言うことはすべて聞く」態度にならざるをえない。

 岡田もそれを分かっているから、野田の意向を確かめるまでもなく「すべて事前にオレを通せ」という話になる。

権力の重心移動に敏感な官僚

 岡田は副総理なので官邸5階の副総理室に入る権利がある。同時に内閣府特命担当大臣でもあるので内閣府にも部屋がある。官邸常駐を選んだのは「最高権力者(首相)に近い場所にいるほど権力がある」という鉄則に従ったためだ。首相の執務室も官邸5階である。

 官邸で働く官僚は権力の重心移動に極めて敏感だ。「だれの了解を得れば話が進むか」に目を凝らして観察するために官邸に詰めているといっても過言ではない。本来なら官房長官が総理案件の前さばき役を務めるが、いまの藤村修長官は霞が関経験も大臣経験もなく、いかにも非力だ。

 こうしてみると、岡田は藤村に代わる大官房長官どころではなく、先の関係者がいうように事実上の岡田政権といっていい。

 それはそれで別の問題を引き起こす。

 岡田は副総理に就任すると、会見で議員歳費と政党助成金を削減したい意向を表明した。すると輿石東幹事長が「すぐに議論する必要はない。いまやるべきなのは議員定数や国家公務員給与の削減など行政改革だ」と反発した。勢いづいた岡田が大風呂敷を広げたところに、冷や水を浴びせた格好だ。あきらかに岡田の入閣で政権内にさざ波が立っている。

 岡田の議員歳費削減提案には、みんなの党の江田憲司幹事長がブログで痛烈に批判している。江田が昨年9月の衆院予算委員会で同じ提案をしたとき、岡田は「『元々半年間の約束だ! 何が問題なのか!』『やるんならあんただけやればいい』『かっこつけるんじゃない!』等々とヤジ、罵声を浴びせかけた」というのだ(http://www.eda-k.net/column/everyday/2012/01/2012-01-17.html)。

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