西武・中島「破談」の裏に米の超辛口査定!メジャー移籍
本塁打は日本の成績の3分の1に、打率は1割減で評価

銭闘全舞台ウラ

 ポスティング制度によるヤンキースとの入団交渉が1月6日に決裂すると、西武・中島裕之(29)の代理人グレッグ・ゲンスキー氏は次のような声明を発表し、破談の理由は年俸ではないと強調した。

「中島選手の決断は、金銭面によるものではない。ヤンキースが想定している役割では、能力をフルに発揮しチームを助けることができないと考えたからだ。ヤンキースが用意した役割は、残念ながら彼のキャリアにふさわしくはない」

 中島サイドが「ふさわしくない」と考えるヤンキースでの役割とは、控えというポジションだ。中島が本職のショートにはデレク・ジーター(37)、サードにはアレックス・ロドリゲス(36)というスター選手がいる。ヤンキースに入団しても、中島は二番手に甘んじるしかない。西武の中軸打者として3割を5度、20本塁打以上を4度達成している中島にとって、耐えられる"仕打ち"ではないのだろう。

 だが、米国の日本人選手に対する査定は、中島が考えている以上に厳しい。

「日本での実績がそのまま通用すると思ったら、大間違いです。メジャーの各球団には、日本人選手に対するこんな暗黙の評価基準があります。先発投手なら日本での勝利数の1割減。野手は打率が1割、本塁打数は3分の1に減ると。つまり日本で3割30本塁打を打っていた強打者も、メジャーでは2割7分10本塁打の並のバッターということになります。中島がヤンキースに入団していきなりレギュラーを取れるほど、甘い世界ではありません」(メジャー球団のスカウト)

 選手の評価についての、日米の大きなギャップ。その溝は金銭闘争、"銭闘"にも反映される。前出のスカウトは、「代理人が破談の理由として否定した金銭問題も、大きな支障になった」と指摘する。

「ヤンキースが提示した条件は、1年契約で年俸80万ドル(約6160万円)です。しかしこの金額は、中島サイドにとって受け入れられるものではなかったでしょう。中島の今季の年俸は2億8000万円。日本でのキャリアを重視する代理人は、同等以上の金額を要求していたそうです。メジャーでは内野をどこでもこなせるユーティリティー選手でも、年俸の相場は150万ドル程度(約1億1550万円)。控えなら、せいぜい100万ドル(約7700万円)でしょう。中島を高くは評価していないヤンキース側は、代理人の要求額を聞いて唖然としたそうです」

 近鉄で1年目から18勝を挙げた沢村賞投手の野茂英雄(43)でさえ、ドジャースと結んだのはマイナー契約。日本で1億4000万円だった年俸は、10万ドル(約770万円)まで下がった。オリックスで5億3000万円を得ていたイチロー(38)の年俸も、マリナーズと3年契約し、1年目が566万ドル(約4億3580万円)、2年目が370万ドル(約2億8490万円)、3年目が466万ドル(約3億5880万円)である。中島サイドの要求レベルが、いかに高いかが分かるだろう。

 '10年12月に楽天の岩隈久志(30)の代理人・団野村氏が、4年で1525万ドル(約11億7430万円)というアスレチックスの年俸提示額を不服とし、その倍額を要求して交渉が決裂した際に、イチローはこう話して不快感を表した。