馬場康夫第2回「わずか50年!あまりに短すぎる日本のエンターテイメントの寿命」

撮影:立木義浩

第1回はこちらをご覧ください。

馬場 気まぐれコンセプトの連載を始めた当時、ぼくも相棒の松田も作家としてはズブの素人だったんです。連載が初めて載ったビッグコミックスピリッツが出ると、友達や親戚縁者にまでお願いして、「『気まぐれコンセプト』は面白い連載です。続けて読みたいです」って、ハガキを書いて編集部に出してもらったんですよ。そしたら編集部に1週間で30通ものハガキが舞い込んだそうです。でもそんな作家はいないから、すぐにバレてしまった。

シマジ 新人としてはじつに可愛いエピソードだね。その気持ち、物書きのおれにはよくわかるな。でも編集長をやっていたから知っているが、実情はそんなハガキ、年に1通くるかどうかなんだ。それが厳しい現実なんだ。

馬場 それで、また白井さんに呼びつけられて「おまえら何を考えてるんだ」と怒られました。

シマジ 白井さんも馬場ちゃんたちのことを可愛い奴らだと、こころのなかでは思って、目を細めていたにちがいない。ところで相棒の松田さんがずっとマンガを書いているんだよね。彼はいったいどういう人なの?

馬場 ぼくと同じ50過ぎのオッサンですよ。でもいまだ海外旅行に1度も行ったことがなく、携帯電話も持ったことがない。もちろん、スマホもiPadも知らない、「現代のシーラカンス」みたいな男です。

ホイチョイプロダクションズはなぜ長続きするのか

シマジ 馬場ちゃんとは対照的だねえ。だから、ずっと長くコンビを組んでやっていけるのかな。

馬場 もちろん、いままでケンカしたり、口をきかなかったりしたこともありますよ。でも、究極、別れることは絶対によそうな、とお互い暗黙のうちの決めているんです。コンビってみんな別れてしまうでしょう。漫才師だって人気が出てくるとそうです。あの藤子不二雄先生だって別れたでしょう。

シマジ 藤子不二雄Aこと、安孫子素雄さんはよく知ってます。彼は大酒飲みでゴルフ好きのいい人ですよ。もう一方の藤子・F・不二雄こと藤本弘さんは酒もゴルフもやらなかったのに早く死んじゃうんですから、人生ってわからないもんだね。