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 今月末に、新しい本を出すことになっている。その本の中で「ソーシャル・コミュニケーション・デザイン」について書いた。ソーシャル・メディアに限った話ではなく、それを一部分として、社会とメディアとマーケティングについて広く問題を取り扱った。なので、誤解を避けるために、タイトルには"ソーシャル"という言葉は入れなかった。

 ところで、これから自分の肩書をどうしようかと思案している。これまで僕は「PRの人」で周囲にも僕の仕事はPRだと思われてきた。だた、今回の本で書いた内容は、明らかにPRには収まりきらないし、実際にPRという言葉はとても狭義に感じる。

 「お仕事は?」と聞かれたときに、「ソーシャル・コミュニケーション・デザイナーです」などと答えるかどうか。そんな仕事は、これまで世の中になかったから"わかりにくい"。そもそも、そんな仕事は"成立するのか"を含めて検討中である。

 だからだろうか、似たようなテーマについて書かれた本が気になる。朝日出版社が発刊した新しいシリーズ idea inkはまさにそれだった。シリーズの第1弾は、津田大介さんによる『情報の呼吸法』とネットマガジンのグリーンズ編による『ソーシャルデザイン』の2冊である。本のデザインがユニークで、それぞれ、1冊まるまる青と緑の一色のパッケージになっており、メッセージ性を感じる仕上げになっている。

 僕はどんな本でも"書評"というのは、なんとなくおこがましいので書かないことにしている。ただ今回は、ソーシャル・コミュニケーション・デザインという仕事を考える上で、この2冊から受けた刺激について書こうと思う。

 津田さんの『情報の呼吸法』の第4章では、「ソーシャル・キャピタルの時代がやってくる」というお話が展開されている。ちなみに、僕の本でもソーシャル・キャピタルについて言及するくだりがある。津田さんの本では、ソーシャル・キャピタルの言葉の説明には宮台真司さんの書籍を引用しつつ、「僕はここに『他人に対して気軽に何かやってあげる』という具体的なアクションや気持ちを付け加えたいと思います」と紹介している。

 僕は金子郁容さん(慶応大教授)の本でこの言葉と考え方を知った。"社会関係資本"と訳されるソーシャル・キャピタルは、"橋"や"道路"などの社会資本とは異なり、人と人の関わり方や人間関係の豊かさを表すものだ。

 ソーシャル・メディアというツールをどう使うのか、あるいはソーシャル・ネットワークが発展した社会とはどうあるべきか、を考えるとやはり、ここに収斂されてくるのかなあと思う。それと僕自身は、ソーシャル・キャピタルを地域や社会というコミュニティの単位で捉えていたが、津田さんは、個々の人間がお互いに、他人のソーシャル・キャピタルの一部であるという考えを提示している。

 なるほど、個人の人間のネットワークこそ、ソーシャル・キャピタルの源泉なのか。そう考えると、最近、ブログもろくに更新せず、ツイッターやフェイスブックを十分に活用していない自らを振り返って反省した。自分を取り囲む人間関係にもっと積極的に関わるようになれば、結果的にソーシャル・メディアの使い方も変わってくるのかしれない。

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