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2012年は東アジアの選挙イヤー!台湾総統選を勝利した馬英九総統が北京でトップ会談をする日
馬英九総統は今回の選挙に完勝し、今後4年間の「馬英九時代」を確保した   【photo】Getty images

 北朝鮮、台湾、ロシア、中国、アメリカ、韓国(ひょっとしたら日本も)と続く昨年末から今年にかけての東アジア関係国・地域のトップが代わる「選挙イヤー」の第2弾、「台湾編」が、1月14日に終了した。

 結果は、国民党の馬英九総統が、689万1139票を獲得し、609万3578票を獲得した民進党の蔡英文候補を打ち破った。さらに同時に行われた立法院(国会)選挙でも、総議席113席中、国民党が64議席の過半数を確保し、40議席の民進党を上回った。つまり馬英九総統は今回の選挙に完勝し、今後4年間の「馬英九時代」を確保したのである。

 馬英九・国民党を応援している中国政府は、1月14日晩、人民大会堂に共産党のトップ8人(温家宝首相はネパール、サウジアラビア出張中)を始めとする中央政局委員が勢揃いして、「新春晩会」の大宴会を行った。それはまるで、胡錦濤政権の祝勝会のようであった。

保守から革新、そして再び保守へと回帰する東アジアの政治

 今回の選挙結果は、台湾だけでなく、21世紀前半の東アジアの趨勢を占う意味で、重要な意味を持つ。

 過去半世紀余りの東アジアを振り返ってみると、20世紀後半は、保守的政党による長期政権の時代が続いた。日本の自民党、韓国の共和党・民正党、台湾の国民党、中国の共産党保守派などである。

 それが東アジアの人々の国民生活が向上するにつれ、民主化の機運が高まり、21世紀の初頭から、革新派政党の時代に入った。どの国・地域でも民主的な選挙を実施すれば、少数の富裕層ではなく、大多数を占める庶民の代表がトップに就くのは当然だからだ。そのため、民主派、リベラル派、進歩派などと呼ばれる指導者が台頭した。

 その口火を切ったのが台湾で、2000年に民進党の陳水扁氏が総統選挙に勝利した。続いて2002年に韓国で、後にウリ党を作る盧武金玄大統領が誕生した。同年に中国では、共産党保守派(太子党、上海閥)の江沢民総書記から革新派(団派)の胡錦濤総書記の時代へと移行した。日本だけはやや遅れて、2009年にリベラルな民主党に政権交代した。

 その後、東アジアの高度経済成長モデルがストップするにつれ、保守派回帰の時代になった。東アジアの人々が、「民主も大事だが、経済発展はもっと大事だ」と認識するようになったのである。こうした傾向を受けて、韓国では2007年の年末に、共和党・民正党(保守派)の流れを汲むハンナラ党の李明博氏が大統領に当選した。続いて台湾では、2008年3月に、国民党の馬英九主席が、総統の座を民進党から奪還した。

  今年は秋に、中国で団派の胡錦濤総書記が引退し、太子党の習近平総書記の時代を迎える。また日本も、来年9月までに総選挙をやらねばならないが、民主党の時代から自民党の時代に回帰する流れである。北朝鮮の金正日から金正恩への政権交代も、広義ではここに含めてもよいかもしれない。

 こうした保守→革新→保守と変遷していった東アジアの政治の潮流は、今後一体どのように変わっていくのか。そのアジアン・スタイルの最先端を行くのが台湾なのである。「先導役」の台湾が右へ行くのか左へ行くのかで、東アジアの矛先は大きく変わっていくのである。

 今回、台湾の有権者が選んだのは、「行き過ぎた民主」よりも「安定した経済発展」だった。この流れを受ければ、年末の韓国の大統領選は、李明博大統領の後継者である保守系候補が勝利する確率が高い。同様に周回遅れの日本も、9月の自民党総裁選の勝者が、次期首相となるだろう。

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