東大最強の秘密結社“京論壇”とは何か?大学通じたグローバル化を目論むスーパーエリートたち

2012年01月16日(月) 田村 耕太郎

各界を制する秘密クラブ

世界のトップ校には必ずある秘密結社。シークレットクラブとか、ファイナルクラブとか大学によって呼び名はまちまちだ。代表的なものは、エール大なら“スカルアンドボーンズ”、ハーバード大なら“ポーセリアン”などである。これらのクラブは、歴代大統領、グローバル企業のCEO、CIA高官、有力メディアの編集長、裁判官、検事等各界のエリートを輩出している。学生時代からのネットワークは各人が各界に散らばり出世してから大きく成果を発揮する。そのクラブの後輩であれば、すでに各界で成功している先輩たちの支援によって引き上げられていくことが約束されているのだ。

 さて、日本ではどうか。実は日本にもようやくそういうクラブが現れはじめた。

 名実ともに日本のトップ校である東京大学。そこにもいろいろな学生団体がある。その中で異彩を放つのが京論壇である。今から7年前の2005年に北京大学と東京大学の学生によって結成された国際学生討論団体だ。

 当時は時の総理大臣小泉純一郎氏による靖国神社参拝問題に端を発する反日デモが中国全土で吹き荒れていた。そんな最中に機能しない政府間外交をしり目に、両国のトップ校である東大と北京大の学生が、学生間外交による相互理解促進を目指したのだ。

日中からさらに広がるグローバル化

 北京大学と東京大学の学生それぞれ10数名が、東京と北京に1週間ずつ滞在し、日中間に横たわる様々な問題について英語で徹底討論した。過去五年間で話し合われたテーマは、歴史認識、安全保障、軍事認識、歴史教育、環境、日中経済、ビジネス文化、食料、国家とアイデンティティ、メディア、東アジア、国際社会、教育、経済格差と多岐に渡る。

 京論壇のメンバーには、将棋日本一からジャグリング日本一、まで在学中から勉学以外も多彩な才能を見せるメンバーが集まっている。OBは財界、官界、政界、メディア界等各界に進み活躍中である。欧米のトップ校の秘密結社同様、各界に人材を輩出しつつも、定期的に集まり、先輩後輩が世代を超えて交流を進める。主に天下国家の視点で、外交から教育まで議論を続けている。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。