先日、現代ビジネスの内田樹先生の記事で、「呪いの時代に」ネットで誹謗中傷をまき散らす異常なまでに攻撃的な人々の存在とその存在にどう向き合うべきか書いてありました。とても興味深く拝見したと同時に、確かにそういう人たちがとてもたくさんいて、多くの人を攻撃し、それに心を痛めている人が多いのは日常見聞きしている風景です。
だからネットはダメだと攻撃をするのは、ネットから多くの友人や仲間を得て、それも自分の重要な仕事のツールとしている私からすれば短絡的すぎます。とはいえ、ネットのそのような影の部分と向き合わないのは、これも誠実な対応だとはいえませんよね。そもそもネットの影といっても、ネットそのものはただのインターネットを介した情報のやりとりであり、ネットの影とはすなわち、そこに存在をしている人間の影の部分なのです。
私は昔、カリスマファンドマネジャーと言われたことがあって、こういう呼び名は大変に不本意だったのですが、市場がよくなれば神といわれ、市場が悪くなれば悪魔といわれるというに過ぎず、さらにいえば、よいときだって、それは興味本位な視線と嫉妬の目を向けられます。10年前くらいですが、ある週刊誌でこのような記事がのりました。
「藤野氏はカリスマファンドマネジャーとして有名だが、外資系の会社に移動したときに大金を手にして、夜は料亭で女遊びの毎日、車はフェラーリで、家は目白の豪邸だ。しかし、彼の友人は笑いながら語る。『藤野さんは下戸で夜、飲み行くことはありません。車は地味なトヨタの車で、家は目白の近くの大塚の賃貸マンションですよ』。しかし、業界ではその友人の話を信じるものは少ない」
凄い嫌な記事でしたね。私はとても気分が悪かったし、ものすごくイライラしました。もちろんこの記事は「友人」の言っていることが正しく、最初の部分はまったくのデタラメです。しかし、巧妙に本当のことをいいながら、「業界ではその友人の話を信じるものは少ない」とあたかも本当のようなイメージを植え付けているんです。
この内容では名誉毀損に訴えるわけにもいかず、けっきょく、泣き寝入りでした。(私はフェラーリにも興味がないし、豪邸にも無縁ですが、そういうのを持っていたっていいじゃないか、というのもあります)。
2ちゃんねるでも悪く書くスレッドが立ち、そのような記事もとても自分の精神を消耗させられました。「死ね」、のような発言は日常茶飯事だった時もあります。そのようなイジメや人の悪意やいわれのない中傷というのは、その受け手にたちの悪い病原菌やウィルスのように心に広がり、体に毒が浸潤していくのがわかります。ストレスは心から入り、血液や内臓に忍び込み、そこに明らかなコロニーを形成していきます。べったりと張り付いた苦痛は、心の痛みから体の痛みに変わっていくのです。
実際に私はその時期に喘息にかかり、今も喘息患者です。おそらく病気というのは、生活週間や心のストレスがたまりにたまって破裂をした時に、破裂をした場所についたのが「病名」であると思います。それはガンであったり、膠原病であったり、うつ病だったり、喘息だったり、自律神経失調症だったり、子宮筋腫であったり。もちろん心健やかにしていてもなるときには病気になるとは思いますが、耐えられない心の痛みにさらされると肉体的な病気になることは避けがたい。
とはいえ、私は被害者かといえば考えるとそうともいえません。というのも、相手に対する無理解や無関心、心ない一言、冗談のつもりで冗談になっていない暴力的な言葉は知らず知らずにはいているかもしれないし、嫉妬や怒りとは無縁ではない自分がいるからです。週刊誌の読者も、そこには確実に「他人の不幸は蜜の味」もしくは「嫉妬や怒り」があり、それは普通の人々にあるごく普通の心の風景であるからです。知らず知らずに自分は加害者になっているかもしれない。。。
ブログのコメント欄やツイッターなどでいきなり来る、罵詈雑言や中傷の数々。親しいと思っているあの人の残酷な一言。またネットでよく見る凶暴になり、傷つく言葉をはく人々。しかし、それはひょっとしたらあなたのもっている側面のひとつかもしれない。たまたま恐怖やある種の観念に支配をされてしまって、たまたま人生のある瞬間にそうなってしまった人々と少し引いてかんがえてみたほうがいいでのはないかと思うのです。
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