歳川隆雄「ニュースの深層」
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野田佳彦首相が断行した内閣改造・民主党役員人事
24日召集の通常国会が、
野田政権の正念場に

2012年01月14日(土) 歳川 隆雄
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 野田佳彦首相が1月13日に断行した内閣改造・民主党役員人事は、「やはり」と「ウソだろ」の二言に尽きる。

 先ずは、後者の「ウソだろ」の方から。言うまでもなく、田中直紀防衛相のことである。確かに、71歳の同氏は衆院当選3回、参院3回のベテランであり、そのキャリアからすれば初入閣が遅すぎたと言えなくはない。民主党の輿石東幹事長(参院議員会長兼務)からすれば、閣僚適齢期をとっくに過ぎた田中氏を入閣させることを参院民主党の秩序維持からしても今回の改造人事でプライオリティ1番目に位置付けていたはずだ。

 加えて、参院で問責決議を受けた一川保夫前防衛相が小沢(一郎元代表)支持グループであることから、輿石氏が、田中氏が妻である田中真紀子衆院外務委員長共々同グループに属していることを勘案したのは間違いない。

 だが、取り分け国家の根幹に関わる安全保障問題を担当する大臣、防衛相には適性という問題がある。前任者が大臣就任時に「私は安全保障では素人です」と発言、物議を醸し、後の問責決議案可決に繋がったことは記憶に新しい。田中氏周辺は同氏の防衛相内定が伝わった直後、田中氏は参院外交防衛委員長も歴任しており、外交・安保問題について、以前から関心を持っていたと語っていた。

 が、長年永田町ウォッチングをしてきた筆者は、過分にして同氏が外交・安保問題についてそれなりの知見を披瀝したという話を一度も聞いたことがない。要は、6月中旬までの長丁場となる通常国会の衆参院各委員会での大臣答弁が不安でいっぱいということである。

 同じ小沢支持グループであり、防衛相の下馬評に名前が挙がった東祥三前内閣府副大臣の方がはるかに適任であった。国連職員出身で、衆院当選5回のキャリアからしても、資格十分と言えた。名前が挙がったもう一人の小川勝也元首相補佐官もまた、防衛副大臣を務めただけでなく、それこそ参院外交防衛委員会質問で党中堅・若手では存在感を見せていた。

〔PHOTO〕gettyimages

 真紀子氏が束ねる衆院外務委員会で直紀氏は鋭い野党質問に立ち往生するのではないか。ネタはいくらでもある。沖縄・普天間飛行場移設問題、北朝鮮の金正恩新体制問題、米国の新アジア太平洋国防戦略問題、中国海軍の海上覇権問題などでまともな答弁ができるとはとても思えない。まさに田中防衛相が、野田改造内閣のアキレス腱になるのは必定である。

 次の「やはり」である。これまた改めて言うまでもなく、岡田克也前幹事長が野田首相に口説き落とされて副総理兼一体改革・行政改革相に就任したことだ。昨年9月の野田政権発足に当たって同氏は官房長官を打診されたが、年齢も当選回数も上であるだけでなく政策通でもある「大官房長官」として首相以上にクローズアップされることを嫌い、固辞したことは周知の事実である。

 今回もまた副総理として入閣すれば同じように見られるとして最後まで首を縦に振らなかったが、消費増税を含む税と社会保障の一体改革実現という、消費増税派の「大義」でもって押し切られたというのが実情である。同氏の入閣は「消費増税シフト」という各紙の解説は正しい。

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