オリンパスは上場廃止基準に抵触していない?! 上場維持に突き進む東証の不思議な理屈にマスコミも同調。「粉飾でも債務超過でなければセーフ」
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 20年にわたって投資家を騙し続けてきた企業ですら上場廃止にできないとしたら、市場の規律はどうやって守るのだろうか---。巨額の損失隠しが明らかになったオリンパス株の扱いが焦点になっている。

 1月9日付けの日本経済新聞は朝刊で「オリンパス上場維持有力」という観測記事を掲載した。3年以内に企業統治体制が改善できなければ上場廃止になる「特設注意市場銘柄」に指定して、上場は当面維持する案が有力だとした。また、ロイター通信も、「複数の関係筋が9日明らかにした」として、同じく「特設注意市場銘柄に指定して上場維持する方向で調整している」と報じた。

 これを受けて10日朝からオリンパス株には買い物が集中。一時、293円高い1346円を付けた。前週末6日の終値が1053円だったので、一気に28%も急騰したことになる。

 上場廃止にするかどうかは東証グループの「自主規制法人」の理事会が決定する。東証が株式会社化する際に、取引所を運営する東証からの独立性を維持する目的で設けられた組織で、理事会は5人の理事で構成する。

 理事長は財務次官を務めた林正和氏。常務理事は東証の上場審査部門などを務めたプロパーの武田太老氏と美濃口真琴氏の2人。これに非常勤の外部理事として藤沼亜起・元日本公認会計士協会会長と、久保利英明・元日本弁護士連合会副会長が加わっている。

 記事にも記載されているが「今月下旬に5人の理事で構成する臨時理事会を開き判断する」段取りで、上場廃止問題について突っ込んだ議論が行われた形跡は今のところない。また、商法学者などの専門家で構成する諮問会議も存在するが、それが招集された気配もない。2人の外部理事には年末に事務局から「状況説明」がなされた模様だが、5人の理事か集まって侃々諤々の議論をしている様子はないのだ。