『有名大学の学位をオンラインで取得可能に~2tor(チューター)の静かな教育革命』

 2012年の新しいビジネス、ソーシャルビジネスを占う上で、様々なトレンドが話題に上っていますが、その中で注目に値するキーワードとして「エドテック」(Edtech)があります。エドテックとはその名の通り、教育とテクノロジーを融合させ新しいイノベーションを起こすビジネス領域を指します。

 背景にあるものとしては、ブロードバンド環境やタブレットコンピューター等のデバイスの進化、そして何より近年爆発的に利用が広がるソーシャルメディアの影響力が、今までテクノロジーの導入に「遅れている」と見なされていた教育業界にも押し寄せてきた側面を無視することは出来ません。エドテックに特化したベンチャーキャピタル関連の国際会議や専門メディアサイト「Edsurge」等の登場もこうしたトレンドを裏付けるものといえます。

 今までにも本コラムでは学費無料のオンライン大学「ユニバーシティ・オブ・ザ・ピープル」、教育系SNSの「edmodo(エドモド)」、そして学びのプラットフォーム「skillshare(スキルシェア)」等、数多くの事例をご紹介してきました。

 今回ご紹介する「2tor(チューター)」は、盛り上がりつつある「エドテック」関連スタートアップの中で、史上最高額のベンチャー投資6500万ドル(約50億円)を受けている注目の企業です。どのようなビジネスモデルなのでしょうか?

 「Great Universities Unleashed (偉大な大学を解き放て)」というキャッチコピーを持つ2torが提供するサービスのユニークなポイントは、難易度の高い有名大学の学位認定プログラムを、史上初めてオンラインで提供することに成功している点です。

 具体的には2torが時間をかけて最適と思われるパートナーを慎重に選び、その大学の既存の教育プログラムを、その質を落とさないように、またオンラインの特徴を活かして優れたものとしてデジタル化します。2torはその過程で必要とされるテクノロジー、運用ノウハウの提供、学生マーケティング支援、そして初期導入のための資金(1000万ドル~1500万ドル(約7.7億円~11.5億円)を提供し、学生からの授業料の収益を大学と分配するというしくみです。