ユーロ急落=ユーロ崩壊を織り込み始めた金融市場

 足許の為替市場で、ユーロが売り込まれる局面が続いている。昨年末まではユーロがそれなりに安定した推移となっていたのだが、今年に入ってから、ヘッジファンドなど投機筋のユーロ売りが優勢になっている。この背景には、ギリシャの債務再編の遅れやフランスの格下げ懸念、さらにはイタリア国債の利回り高止まりなどの悪材料が重なっていることがある。

 ヘッジファンドなどの投機筋などは、そうした局面を狙ってユーロの売り崩しを仕掛けているようだ。しかし、投機筋だけでユーロを下落させることはできない。ヘッジファンドの動きに、一般の投資家が追随しているからこそユーロが弱含みになっている。多くの投資家は、少しずつユーロ崩壊のシナリオを織り込み始めていると言ってよいだろう。

 ドイツなどの中核国が、今までのスタンスを変えて財政悪化に苦しむ南欧諸国を救済する姿勢を示さない限り、そうした流れに大きな変化は期待できない。ユーロ圏の信用不安問題は拡大しつつあると認識すべきだ。むしろ、ユーロ圏の問題が世界へと拡大する可能性を注視しなければならない。

一段と深刻化するユーロ圏の信用不安問題

 ギリシャの債務を巡る交渉の進捗が予想通り遅れている。一部の債権者が50%のヘアーカット率(債務免除比率)に難色を示していたこともあり、債務再編交渉は予想通り難航しているようだ。それに加えて、ギリシャの財政再建もなかなか進まない。金融市場の専門家の間では、「現在の状況が続くと、ギリシャはデフォルトに追い込まれる可能性が高まる」との見方が高まっている。

 一方、金融市場が注目するイタリア国債の流通利回りは、依然、高止まりの状況が続いている。ECB(欧州中央銀行)の買い支えもあり、一時、利回りが安定化する動きもあったが、足元では危険水域とされる7%を挟んだ推移となっている。この水準が長期化するようだと、イタリアの財政再建は一段と厳しさを増すはずだ。

 また、フランスなどユーロ圏の中核国に格下げの懸念が高まっている。今月中にフランスなどユーロ圏諸国の格下げが現実のものになると、そのインパクトは大きい。当該国債の価格が下落する可能性は高く、それらを保有している金融機関の経営状況にも深刻な影響を与えることが懸念される。それはユーロ圏のみならず、世界の実体経済にも悪影響を及ぼすことは避けられない。

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