改めて深刻さ露呈した「欧州危機」
1~3月の国債大量発行を乗り切れるのか

 2012年を迎えた途端、その深刻さが改めて浮き彫りになったのが欧州の経済危機だ。

EU(欧州連合)加盟の17カ国を含む23カ国が使用している通貨ユーロが先週、欧米市場で連日、円やドルに対して大幅に下落した。特に対円でみると、2000年 12月以来の安値を連日更新する場面まであった。このユーロ暴落劇は、2009年秋に露呈したギリシアの財政危機に端を発した欧州の経済危機がいまだに世界経済にとって大きなリスクであることを如実に示した格好だ。

3月末に向けて、ユーロ圏は3カ月間で約2400億ユーロ(24兆円)の国債発行を計画している。相次ぐ格下げによって、非居住者や銀行の国債購入意欲は大きく低下しているとみられるだけに、一連の大量発行ラッシュを乗り切れるかどうか不安視する声が出ている。

 欧州経済危機は、我々にとっても決して対岸の火事とタカをくくっていられる問題ではないだけに、注意深く、今後の展開を見守る必要がありそうだ。

11年ぶりの安値を記録

 先週末(6日)のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが円に対して3日続落。一時、1ユーロ=97円87銭まで下落して、2000年12月以来ほぼ11年ぶりという安値の連日の更新となった。

下落の直接のきっかけとされたのは、対照的な結果となった6日発表の米欧の失業率だ。

EU統計局が発表した昨年11月のユーロ圏17カ国のそれは、10.3%と単一通貨ユーロの導入以来、最悪という高い水準に2カ月連続で張り付いた。スペインをはじめとした南欧諸国の失業率の上昇に一向に歯止めがきかず、改善の目立つドイツとの格差が進んだのも特色だ。

 一方、米労働省が発表した昨年12月の米国の失業率は事前の大方の市場予想を上回る改善をみせて、前月の改定値を0.2ポイント下回る8.5%に低下した。景気動向を大きく左右する雇用者数(非農業部門)も前月比20万人増と米国経済の先行き不安を和らげる内容となったのだ。

 神経質な展開が続いている市場は、この対照的な動きに敏感に反応した。円だけでなく、ユーロはドルに対しても3日連続の下落を記録した。

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