緊迫するイラン情勢:米国の虎の尾を踏んでいる玄葉外相。危機感を強めるロシア

玄葉光一郎外相〔PHOTO〕gettyimages

 日本のマスメディアが報じる国際ニュースは、極端に内向きになっている。特にイランを巡る国際関係の緊張が等身大で伝わっていない。イランの核開発が最終段階に至っている。昨年12月31日に、米国のオバマ大統領は、2012会計年度(11年10月~12年9月)の国防権限法案に署名し、同法が成立した。この法律では、イランの核開発を阻止するための追加的な制裁措置が盛り込まれている。

〈 核開発問題をめぐるイランへの制裁強化のため、収入源である原油輸出に打撃を与えられる新たな措置が盛られており、大統領の判断で発動できる。/新たな制裁は、原油の輸出入でイラン中央銀行と取引する米国外の金融機関を、米国の金融システムから締め出す内容。原油取引でイラン中央銀を使う日本や中国、欧州各国にイラン産原油の輸入からの撤退を迫り、イランの収入源に打撃を与えることを狙う。/ただ、制裁の発動でイラン産原油の輸出量が急減した場合、輸入国が原油不足に陥ったり、油価が世界的に高騰したりしかねない。このため、米大統領が「米国の安全保障上不可欠」と判断すれば制裁を最大4ヵ月間停止できる運用上の余地も残した。また、イランとの原油取引に絡む決済を大きく減らした金融機関は制裁を免除される。 〉(1月2日、朝日新聞デジタル)

 本件に対する日本政府の対応はまったくなっていない。1月4日の玄葉光一郎外相の記者会見での発言を知って、筆者は愕然とした。外務省HPに掲載された記録を正確に引用しておく。

〈 ・イラン制裁
【ロイター通信 金子記者】米国のイラン制裁の措置ですけれども、日本が制裁措置の適用から除外される可能性について、どのようにごらんになっているかという点と、あと、米国が適用除外について決めるのは大体いつぐらいになるのかという目途がもし日本の方でありましたら、お願いいたします。

【大臣】米国のイランに対する制裁、特に中央銀行との取引を行っている企業の、いわばドル取引の禁止の問題でありますけれども、この点につきましては、私(大臣)からもクリントン国務長官にこの間、もっと言えば先般の外相会談でも、日本経済、そして世界経済、もっと言えば米国における消費に対してマイナスの影響があり得ると、逆効果もあり得るということを伝えたところであります。それに対してクリントン国務長官からは、運用に関して慎重に行っていきたいという話があったというように記憶をしています。