古賀茂明×佐藤優 国を食いつぶす「霞が関 という病」

2012年01月12日(木) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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古賀 公務員改革をしようとした私は、霞が関にとってまさに不倶戴天の敵ですから、いろんなことをしてきます。例えば最近は、財務省がテレビ局に対して、私を番組に出すなと圧力をかけたんですよ。あるテレビ局の報道番組が安住淳財務大臣に出演依頼をしているのに出てもらえない。その局の幹部に対して財務省の香川俊介官房長は、「古賀を出演させているテレビ局に大臣は出せない」と言ったそうです。

佐藤 露骨な話ですね。

古賀 まあ、立場上、言わざるをえないんでしょう。私が別の番組で「年収2200万円の事務次官がタダ同然の家賃で官舎に住んでいる」と言ったことで、財務省の勝栄二郎次官への風当たりが強くなった。「官舎を出ざるを得ないか」ということになったらしい。それで財務省が相当頭にきているみたいなんです。

 ただ、財務省の官房長が、大臣を出演させることを条件に放送内容に介入したことになりますから、本当だとすれば、それだけで大スキャンダルだと思いますね。

佐藤 マスコミも財務省の意向に逆らう覚悟はないってことですね。古賀さんは、日常生活で気をつけていることってありますか?

古賀 どういう形で仕返しされるかわからないんですが、神経質になるのはやはり電車ですね。痴漢に仕立てあげられたら一巻の終わりです。これは、警察の友人からも、「注意しろよ」と警告されました。

佐藤 私は泊まりがけでどこか行くときは必ず家内同伴にしています。これは田原総一朗さんに教えてもらったんです。それと、最も恐いのが税金関係。どんなに細かな収入でもきちんと申告しています。

古賀 ちょっとした申告ミスだって、国税当局がリークすれば脱税と報じられますからね。やはり国税の権力はすごい。国税庁・税務署を傘下に抱えている財務省と本気でコトを構えるのは相当な覚悟が必要です。

佐藤 鈴木宗男さんみたいに1回捕まってしまえば闘えるんですけどね(笑)。

古賀 '09年のたばこ税増税のとき、こんなことがあったそうです。ある政務三役が、たばこ嫌いだったこともあって、増税大賛成と宣言した。一方、財務省はJT(日本たばこ産業)が天下り先だから、たばこ税増税に関してだけは実は慎重なんです。

 で、あるとき主税局の幹部がぞろぞろとその政務三役の部屋にやってきて、「たばこ税をもっと上げろというのは本気ですか」と切り出した。「もちろん本気だ。君らの応援団だ」とその人が善意で言うと、「本当に本気ですか」と詰め寄り、なおも彼が増税を支持すると「どうしてもとおっしゃるなら、私どもはあなたと省をあげて闘うことになりますが、よろしいですか」と迫った。そのただならぬ気配に降参した政治家は、はらわたが煮えくり返る思いだったけども、国税のことが頭をかすめて、どうしようもなかったそうです。

本当のワルは腰が低い

佐藤 本当のワルは怒鳴ったりせず、腰が低い。彼らにとって、副大臣・政務官クラスの国会議員を封じ込めるのは朝飯前でしょう。

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