「福島を除染ゴミと使用済み核の最終処分場に!」という民主党政権の“本音”が表面化する新年
【PHOTO】Bloomberg via Getty Images

 放射性物質汚染対策特別措置法(特措法)が、1月1日に施行され、東京電力福島第一原発事故で発生した放射能汚染土壌の除染活動が本格化する。

 除染活動は、福島復興の第一歩である。そして原発事故は東電に第一義的責任があるとはいえ、国の原子力政策の一端を押し付けたのだから国も“同罪”であり、特措法で住民を強制避難させた警戒区域や計画的避難区域を、「除染特別地域」として国が直轄で除染するのは当然のことだろう。

 だが、この除染作業は、すべての住民に帰還を促すものではない。
除染には限りがないし、どんなに人手と最新の除染技術を投入しても、住環境を整えられない地区もある。

 それを見越して、細野豪志原発相、枝野幸男経済産業相、平野達男復興相の3閣僚が、12月18日、福島市を訪れて、佐藤雄平福島県知事らに、避難地域の見直しと帰宅困難地域の設定を伝えた。

住民ではなく国家にとってのメリット

 原発事故後、政府は機械的に「同心円避難」を促し、20キロ圏内を警戒区域、20キロから30キロを避難に備える緊急時避難準備区域とした。その後、風向きによって汚染度が高い地区を計画的避難区域として避難を促した。

 その区分を、地上から高さ1メートルの放射線量の年間換算で、50ミリシーベルト以上の帰還困難区域、20ミリシーベルトから50ミリシーベルトまでの居住制限区域、20ミリシーベルト未満の避難指示解除準備区域の三つに組み直した。

 区分けの再編は、野田佳彦首相が12月16日に行った「事故収束宣言」を受けて行われたものだけに、一般には、正常化(避難住民の帰還)へ向けた動きということになろう。だが、その裏にある民主党政権の思惑は、「福島を除染ゴミと使用済み核の最終処分場に」というものではないだろうか。

 そう思うのは、菅直人政権の頃から政府が、「住環境に戻れない地区がある」というのを自覚、その汚染の激しい地区の将来的な国有化と、そこを核汚染物質の処理場とする案を密かに温めていたからだ。

 私は、このコラムの5月19日付けで「試算では費用1兆4100億円 菅政権が言えない『原発被災地の国有化』というタブー」という記事を書いた。

「放射線量が高く、土壌汚染が進み、子供を屋外で遊ばせることができない環境の土地は、国が買い上げるしかない」という政府関係者の声を紹介、そこには①国の責任の明確化、②被災者の前向きな希望、③エネルギー政策への有効活用、という三つのメリットがあることを指摘した。

 当時、松本健一内閣官房参与が、「原発周辺には20年は住めない」という「菅首相発言」を伝え、菅首相が烈火のごとく怒り、訂正したことがあるが、その真偽はともあれ「将来的に住めない土地」が発生するのは、誰しもわかっていた。

 12月18日の帰還困難区域の設定は、事故から9カ月が経過、「もう戻れない」という“諦め”が住民に芽生えたことを織り込んでのものである。

 そのうえで、「エネルギー政策への有効活用」というメリットの追求も始めた。もちろん住民にとってではなく、国家にとってのメリットである。そこには、国有化した土地を除染で発生した汚染土壌などの中間貯蔵施設として利用したいという民主党政権の思惑がある。

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