日本人の交渉方法は世界で通用するか?

日本人は'推定合意'という妄想の中で生きている

 今までいろいろな国の方々と交渉をしてきましたが、日本人というのは非常に面白い交渉をする人種だなと感じることが多いです。なぜならば常に相手のことを気遣って着地点を探してくれるからです。

 相手に対してこちらの言い分を伝えると必ず自分と交渉相手との間の妥当なポイントを教えてくれます。非常に優しい人種です。

 だだ問題なのは、日本人の大半は同じ発想を持って交渉相手も交渉に挑んでいるはずだと勘違いしてしまっていることです。

 海外の場合、そんな優しい交渉相手はそうそういません。中間着地点にたどり着くことだけを考えていると、「お前は何をいったいしたいんだ?」と聞かれてしまいます。

 自分の中で3個1,000円のリンゴを800円で買うために最初は500円ぐらいで交渉をはじめて、きっと相手が800円前後の数字を出してくるだろうと想定してしまいがちです。特に最初から値引き交渉が可能な場であるならばそれが当然だし相手もその辺の中間地点で着地するだろうなんて思いがちです。

 ただ様々な文化の中で交渉する場合、この推定合意の世界にすべての人が生きていると考えることが危険なのです。文化によっては今日は値引きは一切しないとか、最初はお金の話をしない、はたまた値引き交渉のはずなのに一切値引きをしないつもりで来ていたりと、僕らが日本で培ってきた交渉の基本がまったく通じないことが多いです。

 なので、そういう時には相手が何をしたいのかを知る以前に、何かを推定してそこに落とし込もうとすること自体を一度やめて、話し合いをする必要があるのです。

 ちなみにとあるアメリカの有名なハンバーガーチェーンの日本のフランチャイズ契約を取りに行った交渉担当がイキナリ交渉の場で値引き交渉に入ったら、交渉相手のオーナーに散弾銃でオフィスから追い出されたという話が昔ありました。きっと交渉担当も散弾銃が交渉に出てくるとは思っていなかったでしょう。ほんと、何が起きるかわからないですね。

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