急浮上『第3極』成否のカギは「坂本龍馬」
「桝添新党」に続いて「与謝野新党」も浮上

「夏の参院選に40人の候補を立てますよ」-。みんなの党代表の渡辺喜実は最近会った自民党議員にこう豪語した。みんなの党の候補者探しは必ずしもスムーズに進んでいないため、こんなに立てられるかどうか、不透明だが、自信のほどがうかがえる。

 一方、自民党内では前厚生労働相・舛添要一に続いて元財務相・与謝野馨も新党結成に言及した。7月11日投票予定の参院選に向けて、民主党でも自民党でもない「第3極」の動向が大きな焦点となってきた。

 第3極への関心の高まりは、鳩山政権への失望と軌を一にしている。最新の世論調査を見ると、共同通信調査(6、7両日に実施)で内閣不支持率が支持率を12.6ポイントも上回って5割近くに達した。

 また、夏の参院選を経て「民主党が参院でも単独過半数を占めた方がよい」との回答は28.3%にとどまり、「単独過半数を占めない方がよい」が58.6%に上った。同じ時期の読売新聞などの調査でも同じトレンドだった。

 鳩山政権の凋落(ちょうらく)は目を覆うばかりだ。しかし、自民党は政権批判の受け皿とはなり得ず、政権に愛想を尽かした人たちは支持政党がない無党派になるか、みんなの党を支持するかしか、選択肢がなくなっている。この結果、みんなの党の支持率は公明、共産両党に匹敵し、調査によっては両党を上回るようになっている。

 昨年夏の衆院選で、みんなの党は民主党の圧勝の陰に隠れた。だが、みんなの党は比例代表で3,005,199票を獲得し、社民党と比べ961票少ないだけだった。しかも、北陸信越、中国、四国の3ブロックで候補者を立てずにこれだけの票を得たのだから、「実際は400万票程度という計算になる」(幹事長・江田憲司)というのは誇張ではない。

 衆院選の段階で、みんなの党は政党要件を満たしていなかったため、テレビ討論番組にほとんど登場できなかった。衆院選の結果、政党要件を満たしたことから、今回の参院選でテレビ討論、日本記者クラブの党首討論会などに出席するようになる。メディアに取り上げられることが増え、参院選で躍進する可能性が高い。

みんなの党が抱える「2つの弱点」

 みんなの党には2つの弱点がある。1つは選挙対策の実務部隊が弱体であることだ。

 民主、自民両党とも選挙対策委員会に10人以上の要員をかかえ、全国の選挙情勢に目を光らせ、世論調査を実施して、どの選挙区の誰を支援すれば勝てるかというデータを集めている。また、素人では難儀する選挙に伴う各種提出書類をそろえたりしている。

 選挙は政党の根幹なのだから、最も優秀な人材を選挙対策委員会に投入するのは当たり前のことだ。しかし、みんなの党の党本部は平河町にある1DKマンションの一室。常駐しているのは数人で、民主、自民両党に比べ大きく見劣りしている。実際に候補者擁立作業は遅れ、公認候補は選挙区2人、比例代表3人にとどまっている。

 もう1つの弱点は、他の新党が登場した場合、「非民主・非自民」の票を独り占めできるかどうかだ。

「次の首相にふさわしい人」を聞く世論調査でつねにトップに立つ舛添は1日の日本外国特派員協会での講演で「自民党を改革するか、新党を立ち上げるか両方のオプションを考えている」と改めて強調する一方、自民党総裁・谷垣禎一に対する辞任要求が高まる可能性に言及した。

 また、与謝野は10日発売の月刊誌「文芸春秋」4月号で谷垣の辞任を求めたうえで、「現執行部を刷新して新生自民党で出直す道もある。それがだめなら新党を含め新しい道を歩む決断をせざるを得ない」と踏み込んだ。

 こうした新党結成の動きを、渡辺はむしろ歓迎している。

「ラーメン屋の屋台は多いほうが客が集まる。その屋台のリーダー的存在になればいい」

 だが、江田は「第3極」が乱立することによって、「非民主・非自民」の票が分散することを懸念している。比例代表は大政党に有利に働くだけに、江田の見立てのほうが正しいだろう。

「舛添新党」「与謝野新党」などの成否と同時に、第3極をまとめ上げる、幕末に「薩長同盟」を斡旋した坂本龍馬のような人材が出てくるかどうかも、次期参院選の焦点になろう。

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