北京のランダム・ウォーカー

金正日死去で米中「新冷戦時代」が始まるのか!中国の本音は「ポスト金正日体制は金正恩政権よりも朝鮮人民軍強硬派の支配」

新政権は来年4月まで持つのか

2011年12月20日(火) 近藤 大介
upperline
〔PHOTO〕gettyimages

 12月19日、北朝鮮の独裁者・金正日総書記(享年69)が17日に死去したことが、北朝鮮当局によって発表された。今年はアメリカが敵対視していた「西のカダフィ」に続き、「東の金正日」も滅んだことになる。ここ北京では、中国メディアが、19日昼以降、大量の北朝鮮報道を流し続けている。

 それら中国報道を見ていて、金正日の死は、21世紀の「米中冷戦時代」の幕開けを意味することになるかもしれないと思った。いまや周知のように世界は、急速にG2(米中)時代へと向かって突き進んでいる。先進国代表・アメリカと、新興国代表・中国との角逐によって、世界の趨勢が定められていく時代である。

 世界最強のアメリカ軍は、イラクからの撤退が完了した現在、明らかに次なる目標を、「中国包囲網」に定めている。実際、東アジアに位置する多くの国・地域は、軍事的にアメリカに依存している。日本、韓国、台湾、フィリピン、タイ、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド・・・。

スイスに留学しハリウッド映画を見て育った後継者

 そんな中、中国にとって、長年にわたってアメリカと敵対する頼もしい隣国が、3ヵ国だけあった。ベトナム、ミャンマー、そして北朝鮮である。

 一番先に「脱落」したのは、前世紀に共にベトナム戦争を戦ったベトナムだった。ベトナムは、ベトナム戦争終結20周年の1995年に、アメリカと国交正常化を果たした。そして今年はついに、南沙諸島の権益を巡って中国と対立したのを契機として、アメリカと合同軍事演習を実施するまでになった。俗な言い方をすれば、中国からアメリカに寝返ったのである。

 次に「脱落」しかかっているのが、ミャンマーである。ミャンマーを巡る最新の情勢は、先々週のこのコラムで詳述したが、11月30日に、クリントン国務長官が56年ぶりのミャンマー訪問を果たすまでに、アメリカとミャンマーの関係は回復した。3月に発足したミャンマーのテイン・セイン政権は9月30日、中国との「友好の象徴」であるミソン・ダム建設を破棄すると発表し、アメリカへの証を立てた。このまま両国関係が進展すれば、来年中にはおそらく、両国は国交正常化を果たすに違いない。

次ページ  こうして中国にとって、世界最…
1 2 3 4 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事