「デフレ脱却」
日銀の「ゼロ回答」はあるのか

政府からのプレッシャーが強まる中、
注目の政策決定会合

 今週は、気が早いかもしれないが、16日(火)、17日(水)に開かれる日銀政策決定会合への動き(日銀の地ならしといわれる、各方面へのリークなど)が注目される。

 このコラムでも再三指摘してきたが、デフレが問題になってきているからだ(「名目4%は成長の黄金率である 増税なしの財政再建は可能だ」、「なぜ日本経済だけが一人負けなのか鳩山政権は日銀に『デフレターゲット』を捨てさせろ」)。

 このコラムでも再三指摘してきたが、デフレが問題になってきているからだ(「名目4%は成長の黄金率である 増税なしの財政再建は可能だ」「なぜ日本経済だけが一人負けなのか 鳩山政権は日銀に『デフレターゲット』を捨てさせろ」)。

 1日、衆議院財務金融委員会で、菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は、政策目標とする物価水準では「プラス1%ないし、もう少し高めの目標でいい」と1%超をめざし、財政政策と金融政策で需給ギャップを解消させ、デフレ脱却について「2、3年では長い。

 欲を言えば、今年いっぱいくらいには、何とかプラスに移行してもらいたい」と年内の物価プラス転換をめざす考えを示した。

 また、政府は明言していないが、現在日銀が行っている長期国債の買取について、年額21.6兆円から増額してもらいたい意向ももっているようだ。

 さらに、亀井静香郵政・金融担当相も、需給ギャップの解消には政府の財政出動を含めた努力が必要とし、日銀も現在行っている国債の市中からの買い入れだけでなく、直接引き受けるべきとの見方を示した。

 このような政府の動きに対して、日銀は、物価上昇率に目標数値を定めて金融政策を運営する「インフレ目標」の導入に否定的である。

 また、現在行っている長期国債の買取も、財政ファイナンス(財政を支える機能)と誤解され、長期金利が上昇する副作用が発生するリスクがあると慎重だ。まして、日銀の直接引き受けはなおさらだろう。さらに、日銀は2001年3月から2006年3月までに行われた量的緩和も消極的だ。

 こうした中で、日銀はどのような回答を行うのだろうか。ゼロ回答なのか。その前に、これらの政策の位置づけを整理しておこう。

日銀が国債引き受けをする「特別な事由」

 インフレ目標は政策の枠組みだ。だから、インフレ目標のもとで具体的な政策がありうる。具体的な政策としては、
(1) 通常の金利政策、
(2) その極端なものとしてゼロ金利政策、
(3) 量的緩和(その手段として長期国債買い入れがあるが、買い入れ対象は国債に限定しない)、
(4) 日銀引き受け、
などがありうる。

 (3)と(4)の違いは、(3)が金融政策で、(4)が金融政策と財政政策のあわせ技とかいわれるが、あまり本質はかわらない。(3)でも通貨発行益が発生し、それは国庫に入り財政政策にもなるからだ。(3)と(4)の違いは、短期的な財政効果のちがいだ。

 (4)については財政法第5条によって禁止されていると反論がある。

 しかし、その条文を読むと、「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。」と書かれているが、その後に「但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」とある。

 今回の亀井発言は、このただし書きをいったものと理解すれば、それほどおかしい話ではない。現状を、「特別の事由」で対処すべきかどうかという政策判断の問題になる。ちなみに、現在この但し書きで、日銀保有国債の借り換え(乗り換え)が行われている。

 いずれにしても、(1)~(4)にかけて順番に、その効果は強くなる。反面、強いインフレになるから、度が過ぎるとマイナス面もある。ただし、インフレ目標の下で、(4)というと、引受額によっては、インフレ目標に抵触して(4)ができなくなる。

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