その前に財務省が嫌がる歳入庁の設立を。租税論、経済政策論、地方分権・・・消費税の社会保障目的税化は世界でも類例がない愚策だ

 政府・民主党の消費税増税論議が今日から本格化する。12月20日には、民主党「消費増税の前に為すべき事の勉強会」(会長田中慶秋)が発足する。場所は第二衆議院議員会館1F多目的ホールなので、多くの民主党議員が参加するだろう。私が話す予定だ。

 民主党の前原誠司政調会長は17日、消費増税について「やらなかったら政治家として結果責任を問われる」とし、その場合「国債の金利が上がる。金利が1%上がると10兆円の金利負担になる」と指摘したという。こういうセンスのない言い方はやめたほうがいい。

 金利が上がるのがわかっていれば、先物を使って儲けることができる。本当に金利が上がって誰かが本当に儲けたらそれこそ問題になるし、金利が上がらなければウソつきということになる。どっちに転んでも分がない。

マニフェストにない増税をやって歳入庁はしない

 これと似たような話は多い。例えば、増税しなかったら財政破綻するという話だ。巷には財政破綻本が多く出回っているが、いつまでに何%の確率で破綻すると言わない限り意味がない。28日放映予定のTBS「「ビートたけしのガチバトル2011」において財政破綻するかどうかが議論される。財政破綻派は5名で、3名は財務省出身者、他は国営放送出身者と外人ジャーナリストだ。財政安泰派は私を含めて3名だった。

 破綻派から「未来永劫絶対破綻しないといえるか」といったので、「確率の話。いつまでに破綻確率何%といえ」と応酬。破綻派が「3年以内に破綻する」といったので、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の日本国債のレート1.3%程度から、3年で破綻するならば元手の25倍近い大儲けができるのに、なぜやらないのかといった。

 これでわかるように、国債金利や財政破綻の話について、マーケットを知らない官僚の振り付け通りに政治家は知ったかぶりで話すのをやめたほうがいい。

 政府が進める消費税の社会保障目的税化のデタラメはこれまでもいろいろなところで書いてきた。例えば、前回のこのコラム http://gendai.ismedia.jp/articles/-/29650 の前半などだ。そこでは、政治論、社会保障論、租税論から批判した。特に歳入庁を作るのと、不公正の是正とともに財源確保になって消費税増税が不要になる。

 政治論からいえば、消費税増税に反対するのは簡単だ。消費税増税は政権交代のマニフェストで書いていないのに強行し、書いてある歳入庁をやらないからだ。法案を通すが、実施に前に国民の信を問うという、官僚の姑息な言い方を野田佳彦首相が鵜呑みにして言ってしまったので、もう国民には化けの皮がはがれている。

 今回は、その続きを書こう。租税論からの追加、経済政策論と地方分権からの問題点を指摘しよう。それも、消費税の社会保障目的税が世界でほとんど例のない愚策だからだ。まともな政策ならば、世界各国で例がある。

 第一に租税論の追加。税も社会保険料も法的性格は税と同じだ。それだから、世界のほとんどの国で税の徴収機関と社会保険料の徴収機関は同じで歳入庁になっている。税の徴収機関は社会保険番号を、社会保険料の徴収機関は税の徴収力をそれぞれ手に入れられるので、シナジー効果があって、税と社会保険料の徴収力が向上するのだ。しかも、間接部門がカットでき、行革にもなる。

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