永田町ディープスロート

菅さん、ちっとも 経済がよくなりませんな

壊れかけの鳩山政権
失業率と税金ばかり上がっていく

2010年03月08日(月) 週刊現代
週刊現代
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 国民の生活が第一―。

 こう国民に約束して、鳩山政権が誕生してから、まもなく6ヵ月。だが、その間にも失業者は増え、新卒の就職は厳しさを増し、景気は一向によくならない。

「民主党政権は、経済政策にまったく手をつけていないも同然です。彼らには、『経済のパイを拡大する』という発想がない。『成長戦略の欠如』ということです」(東レ経営研究所産業経済調査部長・増田貴司氏)

 昨年、日本国内の年平均の完全失業率は5.1%と過去最悪の水準だった。'09年の完全失業者は336万人。'08年に比べ71万人も増え、正社員の失業者も22万人増と、劇的に増えている。

 '09年の10~12月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は、前期比の年率で4.6%増えたという。だが、とてもそんな実感はない。だいたい、その前期の'09年7~9月期は速報値で4.8%だったのが、確定値でなんと0%、つまり横ばいになってしまった。政府発表の数値は、国民の生活実感とかけ離れている。

 こんな状態の中で、いま鳩山政権が必死になって進めているのは、「子ども手当」の実施だ。中学生以下の子ども1人につき、月額2万6000円('10年度は半額の1万3000円)を支給するという。菅直人財務相は国会で、

「(支給総額の)7割程度が消費に回り、'10年度のGDPを1兆円程度、成長率にして0.2%ほど押し上げるだろう」

 と、自信満々に説明した。

 しかし、「子ども手当」はそもそも「子どもを産み、育てる環境を整える」目的で導入されるべきもの。それがいつから景気対策の目玉になったのか、国民からすれば釈然としない。しかも、子どもがいない家庭や、苦労して子育てを終えた中高年世代は、逆に増税になりかねない。これでは景気が良くなるわけがない。

 第一生命経済研究所の永濱利廣・主席エコノミストもこう指摘する。

「7割なんて、現実には、とてもそんなに消費には回りません。過去の定額給付金なども、消費に回ったのはせいぜい3割強でした。各種のアンケートなどを見ても、半分以上は貯蓄に回ると思われます。政府の思惑通りにはいきません」

 '09年は不況によるボーナス・給与のカットや失業者の増大により、'08年に比べ、勤労者の収入(名目雇用者報酬)が約10兆円も減ったとされている。一方で、「子ども手当」が実施されても、巷にばら撒かれるカネは、菅大臣自身が国会で説明しているように、実は現行の児童手当の上乗せ分、1.3兆円程度に過ぎない('10年度の場合)。

 つまり国民全体の収入が10兆円減っているところに"たった1兆円"程度を配るのが「子ども手当」の実態だ。それで、景気が良くなることはあり得ないだろう。もし、鳩山首相や菅財務相が、こんな単純な理屈も分からないのだとしたら、驚くべきことである。まさかと思いたいが、それを十分承知していながら、国民を「目先のカネ」でダマそうとしているのか。

共産党になっちゃうわけ?

 いま鳩山政権に求められているのは、この「消えてしまった国民の所得10兆円」を、一刻も早く取り戻すための戦略を練ることだ。「子ども手当でカネを配り、後で消費税をアップして回収する」という、"子ども"が思いつくようなトリックではない。失業者を減らし、国民の所得水準を元に戻す。そのための方策を全力で考えるべきなのに、民主党政権にはそうした視点が欠如している。

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