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「女性宮家」の創設は、実は何を意味するのか
で、愛子さまは天皇になれるの?

〔PHOTO〕gettyimages

 いまのままだと、皇室の未来は悠仁親王に託すほかない。苦悩する宮内庁長官は、総理に直言した。秋篠宮も、率直に憂慮を口にする。近い将来、皇室典範は改正するしかないが、問題はその中身だ。

心配される天皇のご体調

 たった3段の階段・・・・・・その手前で、天皇は少し、躊躇するような様子を見せた。傍の美智子皇后をやや先に進ませると、その肘のあたりをしっかりとつかみ、支えられるようにして段差を上ったのである。降りるときも、また同様だった。11月29日午前10時半、「東日本大震災消防殉職者等全国慰霊祭」の会場で見られた光景だ。

 天皇家は緊迫した空気に包まれている。そしてその緊張感は、次第に、しかし確実に、我々にも感じ取れるレベルまで高まってきている。

 天皇は11月、遷延性気管支炎の症状で東大病院に長期入院し、退院後たった5日での公務復帰だった。

「周囲は、大事をとってせめて11月中は御所で療養することをお勧めしていたんですが、陛下の『何としても参列したい』という意思が強く、周囲も止めきれませんでした。陛下はこれまで公務の負担が重いとの発言は一度もされたことがない。大震災以降、7度にわたって現地や避難所に慰問に行かれ、最前線で働いた消防士ら公務員に対する思いは非常に強いものがありました」(宮内庁関係者)

 しかし、天皇はまもなく78歳の誕生日を迎え、体調も決して思わしくない。慰霊祭でも、天皇は以前よりかなり痩せて見え、動作もゆっくりだった。

 この1週間前、11月23日には、一年で最も重要な宮中祭祀「新嘗祭」を即位後初めて欠席し、掌典長に祭事を任せた。

 また、ブータン国王の来日に際しても、入院中のため、歓迎の宮中晩餐に出席できず、「国王王妃両陛下をお迎えするこの席において、私自身歓迎の言葉を申し上げるべきところ、病気のため、かなわぬことになりました。誠に残念に思い、その失礼をお詫びし・・・・・・」と、遺憾の意を皇太子が代読した。

 天皇の体調への懸念は、皇族からも聞こえてくる。

 慰霊祭翌日の30日、誕生日会見で、秋篠宮(46歳)はこう語った。

「(天皇の)定年制というものは、やはり必要になってくると思います」「今後の皇室の在り方を考えるときには、私もしくは皇太子の意見を聞いてもらうことがあってもいいと思っています」

 今、皇室の内外で、天皇家の将来、とりわけ「皇位継承問題」が、大きなテーマとして浮かび上がってきている。

 そうした折、計ったようなタイミングで、読売新聞朝刊の1面に「『女性宮家』の創設検討 宮内庁が首相に要請」の大活字が躍った。

 内情を知る全国紙記者はこう語る。

「羽毛田信吾宮内庁長官は首相が代わるごとに官邸に行き、所管説明の中でこの問題に関して注意喚起しています。

 今回も野田総理と話したことは各新聞社とも知っていましたし、取り立てて記事にもしなかった。しかし読売は、天皇の退院のタイミングに、スクープ扱いで1面に載せたんです。読売新聞は、10月に皇室担当の編集委員が交代していますが、名刺代わりの記事というところでしょうか。もともと読売は『女性宮家は必要』という論陣を張っていましたからね」

 他紙は「いまさら報じるバリューはない」と判断したニュースだが、タイミングが絶妙だった。天皇の健康問題が注目された渦中で、世論が大きく反応し、他紙も後追いせざるを得なかった。

 当の羽毛田長官自身は、今回の報道について本誌にこう語る。

「私が野田総理に申し上げたのは『このままの制度ですと、皇族の数が減る』ということと、『皇族の活動にも課題が生じる』ということだけです。結局は政治が決めることで、『女性宮家』云々という話は、宮内庁としては出すぎた話です。それは言ってないんです。ですから、なぜ、ああも大々的に新聞に取り上げられたのか・・・・・・分かりません」

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