日中の政策形成を比較!日本のバブル処理の失敗を徹底的に研究している中国に、この国は経済政策でも負けてしまうのか

 先週は日本と中国で両国の政策形成について興味深い経験をした。

 まず、12月8日(木)、鳩山由紀夫前首相の依頼により、「政権公約を実現する会」で話をした。参加メンバーは、鳩山グループなどの反増税の面々だ。そこで、政府のやろうとしている消費税の社会保障目的税化について徹底的に批判した。

 まず、政治論。こんな増税を政権交代前に約束したか。約束していないことをやるにはそれ相当の合理性が必要だが、消費税増税に合理性はまったくない。

 次に、社会保障論。社会保障は保険方式で費用と負担を明確にすべきものだ。負担が見えにくい税金投入(ミルク補給)が大きくなると、社会保障需要が過大になって、社会保障費がより増える。

 日本の社会保障制度は保険方式といいつつミルク補給が多すぎる。そのために社会保障費が必要以上になっている可能性が高い。さらに、ミルク補給に群がる既得権者も多くなる。特養老人ホームの内部留保金は一施設3億円となっており、ミルク補給の一部が積み重なったのだろう。

世界では歳入庁は当たり前

 租税論からもおかしい。税率を引き上げる前に、不公平をなくすのが先決だ。そうでないと穴の空いたバケツで水をすくうことになる。しかも、不公平をそのままにしておくと、税率の引き上げは不公平を増大させる愚策になる。

 社会保険料といっても、法的性格は税と同じだ。払わなければ滞納処分になるのだが、年金機構(旧社保庁)の執行が甘いのだ。

 税・保険料の不公平は、まず消えた保険料。国税庁と年金機構の把握法人には年金機構のほうが少なく、国税庁と80万件の差がある。これは保険料の徴収漏れになり、年間10兆円程度と推測できる。番号制度がないために所得税などの補足が出来ず、これも不公平だ。番号制度を導入すれば5兆円程度増収になる可能性がある。消費税インボイスがないために消費税も3兆円程度漏れがあると思われる。合計で20兆円程度の不公平がある。

 国税庁と年金機構を合体する歳入庁構想は、世界では当然の話だ。国税庁は年金機構から年金番号を、年金機構は国税庁から法人データを手にいれれば、不公正を解消できる。
また、消費税インボイスをやっていないのも、先進国では日本くらいしかない。

 要するに、世界の常識である歳入庁と消費税インボイスを入れれば、不公正がなくなり、その分税収・保険料収入が増えて消費税増税が不要になって、一石二鳥なのだ。

 歳入庁は政権交代前にマニフェストに書いてあることだ。ただし、財務省と厚労省は反対する。マニフェストに書いている歳入庁を作らずに税・保険料の不小平を放置して、マニフェストに書いていない消費税増税を行うのはあまりに不条理だ。官僚に気兼ねして世界の常識を行わずに、そのつけを国民にしわ寄せしている。官僚のいいなりで、国民に過酷な政権の実態をよく表している。

 それで、デフレのまま増税に走る経済音痴ぶりだ。

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