鍵は世代交代にあり!ハーバードビジネススクールのスター教授も驚いた優秀な若手起業家やハーバードに負けない学生たちが日本の未来を握っている

2011年12月12日(月) 田村 耕太郎


 先月の下旬、知人であるハーバードビジネススクールの有名教授が来日。日本のグローバル化とリーダーシップを研究している彼の依頼で、政財界の要人含む様々な人物との面会の機会を用意した。健全な批判精神にあふれるカーシク教授が下した日本の未来予想図は「将来はきっと明るい」というもの。「日本の若い起業家や学生は創造力と活力にあふれている。日本の未来そのものだ。早く彼らがもっと活躍できる舞台さえ整えれば日本の未来は明るい」と断言した。

次世代のスターと言われるラマーナ・カーシク教授の経歴は素晴らしい。ボンベイ大学を首席で卒業し、MITの博士課程を3年で修了。博士号取得とともに、ハーバードビジネススクールにスカウトされた。学生の平均年齢より若くして世界最高のビジネススクールの教壇に立っていたのだ。コーポレートガバナンス、国際財務会計、マクロ経済、政治経済学等と関心領域も幅広い。

日本のリーダシップ欠乏症に唖然

 実は彼はもともと政治家志望だ。インドのエリートには政治志望者が多い。比較的恵まれた環境にある彼らは、「インドの貧困を救いたい。ビジネスでは限界がある。政治で解決しなくては」との思いが強い。しかし、あまりの政治腐敗を目の当たりにして断念してしまう人が多い。カーシク教授は「ハーバードビジネススクールにもインド人が多い。彼らをリーダーとして育てることに貢献し、結果として祖国の貧困撲滅に貢献しよう」と気持ちを切り替えたという。

私とはハーバードロースクールが主催する国際会議で一緒にパネリストを務めて以来の仲である。ハーバードの教授専用のカフェテリアでランチをともにしながら、政治や経済談義に花を咲かせた。私の話をきっかけに、もともと日本ファンであったカーシク教授は、さらに日本に関心を持ち、ビジネススクールの研究として来日した。

各政党の幹部、主要財界人、政府高官たちにアポイントを取って、インタビュー。私にとっても、久しぶりにお会いする方々ばかりなので、旧交を温めるいい機会になった。財界人や政治家や官僚にとってハーバードビジネススクールの教授に取材をされることは悪い気はしないようだった。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。