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天皇や愛子さまも感染。1万2000人以上が発症、40℃の高熱が続いて死に至ることも
史上最悪の流行!マイコプラズマ肺炎の「罠」

「40℃の発熱に加えて、1週間以上も激しい咳が止まらず眠れない日もあったほどでした。インフルエンザのような高熱に、咳が加わったような感じで、本当につらかったです」

 都内の病院に事務員として勤務する30代の女性・Aさんが、マイコプラズマ肺炎の症状についてこう語る。

 今年の夏頃から、マイコプラズマ肺炎が大流行している。厚生労働省によれば、11月中旬までの累計患者数は1万2675人にも上るという。これは、同省が統計を取り始めた'99年以降最多となる。最近では天皇が罹患され、約20日間の入院を余儀なくされた。天皇より1週間前に入院した愛子さまも、マイコプラズマを原因とする肺炎だったと見られている。

 マイコプラズマ肺炎とは、「マイコプラズマ」という微生物が病原体となり、これに感染して起きる肺炎だ。

「マイコプラズマは、細菌より小さく、ウイルスより大きく、両者にない性質を持っています。以前は、4年に1度、夏季五輪の開催と同じ年に流行が見られたため、『オリンピック病』と呼ばれていたのですが、近年では毎年のように見られるようになってきました」(大阪厚生年金病院内科医長・鈴木夕子氏)

 やっかいなのは、初期症状は通常の風邪と見分けがつきにくいことだ。前出のAさんも、この「罠」にはまってしまったという。

「問診してもらった医師にも、風邪と診断されたので、当初は風邪薬を飲んでいました。それでも悪化する一方だったので、1週間後に採血して検査したところ、マイコプラズマが見つかったんです。

 それまでは、ただの風邪だと思って通常どおり勤務していたので、周囲の人に撒き散らしていたかもしれません」

 では、普通の風邪とマイコプラズマ肺炎を見分ける方法はないのだろうか。『わかって治す!家庭の内科学』(ごま書房)などの著書を持つ、山口内科院長・山口泰氏は、次のように話す。

「マイコプラズマ肺炎は、咳のしぶきなどによる飛沫感染で広がります。潜伏期間が2~3週間と長いので、学校や職場などで気付かないうちに感染して広がるケースが多い。風邪との見分け方としては、乾いた激しい咳や、熱や咳がひどいにもかかわらず痰があまり出ないことが挙げられます。発熱し、さらに症状が悪化すると、肺が空気を吸い込む力が低下し、喘息のように息切れしたり、呼吸困難になるケースもあります。風邪だと思っても、咳が止まらないようなら、病院でレントゲンを撮りましょう。

 また、マイコプラズマに対する免疫は一生続くものではないので繰り返し感染する可能性があります。一度罹患したからといって油断はできません」