「過払い金」に続く「返還ビジネス」を
模索する弁護士業界賃貸住宅更新料や残業代も対象に

2010年03月04日(木) 伊藤 博敏
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 弁護士が依頼者から受任した場合、その旨を業者に通知、取引記録の開示を求め、記録に基づいて計算ソフトに入力する。弾き出された結果が過払いならばその額を請求、業者と折り合いをつければいい。

 機械的な処理なので、大量に広告を打って大量の顧客を確保することが可能だ。報酬のメドは返還額の20%。これまでに2兆円近い過払い金返還が行われている。弁護士業界には単純計算で約4000億円が支払われたことになる。

 この小口債権の回収で、機械的に過去に遡ることで得られる"旨み"を知った弁護士業界は、もう引き返せない。更新料や残業代にとどまらず、次々に「返還ビジネス」を仕掛けることだろう。

資格があっても仕事がない弁護士

 そうしなければ仕事がない。

 弁護士の数は急増、1995年の1万5000人が2008年には2万5000人を突破、今後も司法試験の合格者を毎年3000人とすることを決めている。資格はあっても仕事がない弁護士たち。返済能力のある企業を相手にした「返還ビジネス」の急増も無理はない。

 むろん、この傾向に対する批判も強くなっている。税金も払わない「ハイエナ弁護士」のなかには、顧客のカネを着服、あるいは法外な成功報酬を要求する者もいる。救済されているのは多重債務者ではなく弁護士業界というのが現実である。

 過払い金返還請求がもたらしたのは、商工ローンのロプロ(旧日栄)、SFCG(旧商工ファンド)といった老舗の倒産、あるいは消費者金融大手四社の一角のアイフルが私的整理に入るなど、小口無担保金融モデルの破たんだった。20万人近い雇用を抱える業界は揺らぎ、多くのノンバンク社員は職を失った。社会的損失は大きい。

 弁護士のための「返還ビジネス」の急増をこのまま許していいのか――そんな論議をすべき時にきている。

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