蓮舫大臣に孫社長が肘鉄を食らったワケ
周波数オークション潰しは許されない!?

ソフトバンク孫正義社長〔PHOTO〕gettyimages

「まだ仕分け期間中ですから、関係事業者の方とはお会いできません」---。

 11月21日夕刻。行政刷新担当の蓮舫(れんほう)大臣が、ソフトバンクの孫正義社長にきつい肘鉄を食らわせた。孫社長が、事務局長として自然エネルギー協議会(会長:石井正弘・岡山県知事)の緊急提言を手渡すという名目で内閣府を訪ねたにもかかわらず、話題を変えて「仕分けの結果について、お話ししたい」と切り出した途端の痛撃だったという。

 関係者の話を総合すると、孫社長は、政府の行政刷新会議(議長:野田佳彦首相)がこの日の朝、東日本大震災の復興増税に伴う国民負担を軽減する狙いで打ち出した携帯電話の周波数オークションの導入前倒し方針に抗議したかったらしい。

 総務官僚が裁量的に割り当てる従来の方式ならば、ソフトバンクが格安のコストで周波数を取得できるとみられていたのに、事態が急変し、孫社長が焦ったのではないかというのだ。実際、孫社長は直後のぶら下がり会見でも方針変更への不満をぶちまけた。

 このところ、新たな経営の柱として取り組み始めた再生可能エネルギーの振興だけでなく、本業の携帯電話事業でも、すっかり政商ぶりが定着した感のある孫社長。民主党の落選議員を天下りで受け入れて以来、その我田引水の主張はとどまるところを知らない。軌道修正しないと、まともな経営者として尊敬される日は来ないのではないだろうか。

 携帯電話の周波数オークションとは、文字通り、携帯電話サービスに必要な電波の配分にあたって、競争入札を行い、その結果に従って電波を割り当てること。

 事業者のビジネスモデルの優劣を総務官僚が裁量的に判断する、現行の「比較審査方式」(ビューティコンテスト方式)と違うのは、何と言っても透明性が高いことにある。加えて、多額の税外収入が期待できることもあり、先進国クラブの異名を持つOECD(経済協力開発機構)の加盟国(34ヵ国)を例にとると、すでに31ヵ国が導入を済ませている。