本格化するユーロ危機=世界経済の大きな痛手が及ぶ可能性高まる
信用不安の波は、フランスなどのユーロ圏の中核国にも波及し始めている〔PHOTO〕gettyimages

 過去2週間、ユーロ圏の信用問題は一段と深刻化している。信用不安の波は、フランスやドイツなどのユーロ圏の中核国や、ハンガリーなどの東欧諸国にまで波及し始めている。その為、皮肉にも、信用不安の発端となったギリシャの影は既に薄くなりつつある。

 イタリアは、世界第8位の経済大国であると同時に、世界第3位の国債発行国でもある。そのイタリアの10年物国債の流通利回りが、一時、危険水域と言われる7%を越えた。金融市場の参加者の多くは、「ここまで悪化すると、イタリア独力で信用問題を解決することは難しい」と考え始めている。

 それに加えて、今まで安全とされてきたフランスやオーストリアの国債にも売りが目立っており、流通利回りが上昇傾向を辿り始めている。さらには、ユーロ圏の盟主であるドイツで、11月下旬の国債の入札で大幅な入札不足が発生した。投資家の中には、ユーロ圏が解体したケースを想定して、法律的な検討を行っているところもあるという。ユーロが断崖絶壁に向かいつつあることは間違いない。

懸念されるユーロ圏の国債市場

 足許で、ユーロ圏の国債市場に不安が高まっている。それに伴い、投資資金の一部がユーロ圏から回避し始めている。ロンドンの金融街では、ユーロ圏解体が現実になったときの対応方法等に関するセミナーが開催されているという。あるファンドマネジャーは、「ユーロ建ての資産の保有割合を減らして、それを英国や米国の金融商品に乗り換えることを検討している」と言ってきた。事態は深刻さを増している。

 今後、投資資金の流出の動きが一段と鮮明化すると、ユーロ圏諸国の国債市場がさらに不安になるだろう。それは、ユーロ圏諸国にとってかなり厳しい状況だ。元々、ユーロ圏の多くの国は財政状況が悪化しており、国債の発行によって資金調達を行わなければならない。ところが、国債市場が不安定になると、どうしても投資家はユーロ圏諸国の国債購入を敬遠する可能性が高まる。

 それによって、十分な資金調達ができないと、一部の諸国では資金繰りに困窮することも懸念される。今のところは、ECB(欧州中央銀行)が、イタリアなどの国債を買い支えているため、何とか持ち答えているものの、ECB自身は買い支えを一時的な措置としている。そうした状況が続くと、ユーロ圏参加国の信用不安が一層高まることになる。最悪のケースでは、ユーロ圏の存続を怪しくすることも考えられる。

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