中国で最も有名な日本人が駒場で吠えた!
「日本人の海外留学はローリスク、ハイリターンだ!東大生よ、いまこそ世界へ出よ」

なぜ今更海外なのか!

 先週の土曜日、東大の駒場祭にて面白いパネルディスカッションに登壇してきた。これが最高に面白かったので、今週は予定を変更してこのパネルで語られた内容を伝えたい。

 テーマは「若者よ世界へ出よ」というもの。私以外のパネリストがとても刺激的だった。「中国で最も有名な日本人」と言われる北京大学研究員の加藤嘉一氏。東大理事の江川雅子さん。そして私。これに東大3年生の田中宏樹さんが絡む。

 会場は、3時間半近くの長丁場にも関わらず、大勢の立ち見が出るほどの大盛況。高校生から初老の紳士まで幅広く駆けつけて頂いたが、大半はやはり大学生。もちろんマジョリティーは東大生だった。

 基調講演の加藤嘉一氏の話はとても刺激的だった。高校卒業後、中国語も知らないまま飛び込んだ北京大学での学生生活を赤裸々に話し、等身大の留学の面白さを熱く説いてくれた。

私が彼を最高に評価するのは、ガッツあふれる話術もあるが、その奥に光る教養だ。これは並大抵の努力では身につかない。それは彼の、中国版簡易ブログ微博( WEIBO、 うえいぼー)を見ればわかる。なんと500万人以上のフォロワーがいる。内容の面白さもあるが、それ以前に書かれている中国語が完璧なのだ。漢字も言い回しも。

民主化を煽るような過激な内容もあるが、それに絡ませている中国の古典や故事成語の引用がすごいのだ。中国人でも知らないような知識を正確に理解し引用してある。これだけの教養と中国語を駆使できることが彼の能力と積み重ねてきた努力を証明している。本物だ。

 さて、パネルディスカッションの中身に移ろう。最初の問いかけは「なぜ今更海外?」というものだ。この「なぜ今更海外?」という問いこそが、東大生を始めとする日本人学生の今の海外留学への醒めた思いを代弁しているのではないか?いきなりクライマックスのような議論である。

死ぬまで自分で稼ぐ時代

 私は「世界の変化」を挙げた。まず国内環境の変化。

「皆さんの時代は年金はあてにできない。支給開始年齢が80歳になっていると思う。医療技術のおかげでなかなか死ねなくなるからだ。加えて、社会保障費削減で自己負担の医療費は急騰する。莫大な医療費を背負ったまま死ぬまで自分で稼がないといけない。

 その一方、グローバル競争の激化により、日本企業の生存期間は短くなり、長期雇用も約束されなくなる。生き残る企業では、雇用体系も、要求される能力も今とは全く変わってくる。経営陣も全員外国人で能力主義が徹底されるだろう。どこか大きな企業に就職できたら幸せな老後が待っているなんて絶対ない!死ぬまで自力で稼がないといけない時代になる」

「海外に興味があろうがなかろうが、純粋にドメスティックで生き残れる産業や企業はなくなってくる。今はドメスティックにやっていけるだろうが、そんな美味しいところに強い海外勢が目を付けないはずはない。築地の百年続く老舗企業も静かにグローバル化してる。鳥取のローカル企業もそう。今のうちに視野は広げた方がいい」