雑誌
大暴落!大恐慌の足音が聞こえる イタリア、スペインと来て次に狙われるのは日本国債だ
国債を大量に抱えている「日本の金融機関」一覧

 小国ギリシャの債務危機が、イタリア、スペインに飛び火し、ついに超大国フランスを呑みこんだ。危機は欧州圏を飛び越えて、世界に拡散する段階だ。そして世界中が、日本に目を向け始めている。

預金は一律ペイオフに

 今夏、一人の財界大物の発言がマーケットで注目された。発言の主は全国銀行協会会長で三菱東京UFJ銀行頭取の永易克典氏。ロイターのインタビューで日本国債の問題について聞かれると、「(国債の金利暴騰のタイミングは)10年サイクルではない。もっと近い。急いで対応を取らなくてはならない」と危機感を露にしたのだ。

「日本国債が早晩にして死に至る可能性があると全銀協会長が語るのは異例の事態。外国報道機関によるものだったため日本の新聞やテレビではまったく取りあげられなかったが、これは歴史的な発言です。

 永易氏が語ったポイントは二つ。いま国債を買い支えている日本人の預金量の増加が、高齢化によって終わる時期がくるが、そのタイミングは『そんなに遠くない』。もう一点が財政のプライマリーバランス(基礎的財政収支)がこのままでは、悪化の一途を辿っていくということ。後者のもとで前者が訪れれば、『金利が一気に暴騰することも十分にありえる』と言う。つまりは国債の破綻が近いということを指摘した」(ビジネス・ブレークスルー大学教授の田代秀敏氏)

 永易氏はメディア嫌いで有名だ。「バンカーはあくまで黒子」が持論で、つい最近も金融特集を組んだ経済誌にみずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行のトップは登場したのに、永易氏だけは出なかった。そんな永易氏があえてインタビューに応じて危機感を表明したのは、それほど政府に「対策を急げ」と言いたかったからに違いない。

 このインタビューは7月のこと。その後、欧州発の世界経済危機が本格化し、状況はさらに悪化。国債危機はギリシャからイタリアへ波及し、マーケットは次のターゲットを狙っている。

「ギリシャの次になぜイタリアが狙われたのか、実はこれに合理的な理由は見つからない。財政再建できていない、累積債務が多いという点はスペインも日本も同じ。政権基盤の弱さも指摘されているが、スペインのサパテロ政権も日本の野田政権も弱い。イタリアは金利が高いという特徴はあるが、いまに始まったことではない。これまでギリシャの次はポルトガル、アイルランドが狙われると言われていたのに、順番が急にイタリアに飛んだ。つまりこれからは危機が訪れるのは無作為だということがいえる。スペインが先か、日本が先かは誰にもわからない」(BNPパリバ証券投資調査本部長の中空麻奈氏)