落合博満「今明かされる『オレ流采配』の真実」
「完全試合直前」山井の交代、アライバ謎のコンバート、WBCボイコット・・・

落合博満監督の信念は〈最大のファンサービスは、あくまで試合に勝つこと〉。最後までブレることはなかった〔PHOTO〕 佐久間ナオヒト

 例えば0-1の敗戦が続いたとする。普通なら、打線の奮起を促すところだが、中日・落合博満監督(57)は違う。

〈投手陣を集め、こう言うだろう。「打線が援護できないのに、なぜ点を取られるんだ。おまえたちが0点に抑えてくれれば、打てなくても0対0の引き分けになる。勝てない時は負けない努力をするんだ」〉〈試合は「1点を守り抜くか、相手を『0』にすれば、負けない」のだ〉

 0―1ではなかったものの、第1戦、第2戦ともに延長戦を2―1のロースコアで制した日本シリーズの戦いぶりに、確かに〝オレ竜野球〟の真髄が見て取れた。〈 〉内の言葉はすべて、落合監督の10年ぶりの書き下ろし作―その名もズバリ、『采配』(ダイヤモンド社)内での言葉だ。本誌は11月21日発売の本書をいち早く入手。そこには〝不言実行の男〟が胸に秘めていた「オレ流采配の真実」が記されていた。いくつか抜粋しよう。

■采配(1) 絶対的信頼

 3度も三冠王を獲った男が「投手力」を中心とした守りの野球を推し進めたのは〈私の好みではなく、勝つための選択〉だった。そしてその大事な投手陣を、落合監督は完全に任せ切った。