経済の死角

こんなに!日本製の工業製品メイド・イン・ジャパンに「放射能の風評」

トヨタや日産は「安全検査」を余儀なくされ、
今治タオルはイタリアで一時輸入拒否に

2011年05月04日(水) フライデー
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ロシアのウラジオストックで日本からの中古車の放射線量を量る係員。物々しい〔PHOTO〕アフロ(以下同)

「先日、北米のディーラーを訪れたお客が、陳列してある日本車を見て、『あの車は大丈夫なのか。放射能に汚染されていないだろうか』と、質問してきたと聞きました。現時点で返品があったとは聞いていませんが、日本メーカーは各社、独自に放射線量の検査をして対応しています」(トヨタ自動車の幹部社員)

 東京電力福島第一原発の事故で、農産物や海産物に多大な風評被害が出ているが、工業製品も同じように影響を受け始めた。特に海外への輸出品は「メイド・イン・ジャパン」というだけで疑いの目を向けられ、企業は対策に頭を抱えている。風評被害を受けたり、その対策に乗り出した主な企業を下記表にまとめたが、ご覧のように、広範な業種にわたっているのが分かるだろう。例えば、一見、放射能汚染に関係なさそうな鉄鋼製品。新日本製鐵の幹部社員はこう嘆く。

「輸出向けの鋼材については、原発事故の直後から、相手国の強い要望で、製品の放射線検査を実施しています。検査して証明書を付けろという要望なのです。特に厳しいのが、ロシア、韓国、中国です。ウチは、釜石の製鉄所が震災と津波で操業停止に追い込まれ、やっと再開したばかりです。釜石では輸出向けのスチールはほとんど生産していないのに、検査を求められる。原発から遠い千葉の君津製鉄所で生産しているスチールにまで、検査証明書を付けろというのです」

 これまでのところ、返品や引き取り拒否といった事態が起きていないのが、不幸中の幸いだ。ちなみに、欧米の自動車向けスチールは、現地工場で生産した製品を使っているため、問題は起きていないという。表にもあるが、福島県から遠く離れた佐賀県の有田焼や、愛媛県の今治タオルまで風評被害を受けているのだからたまらない。四国タオル工業組合の木村忠司事務局長が言う。

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