不正・事件・犯罪 裏社会
「カジノ狂いの三代目」逮捕!大王製紙事件で積み残された「役員の罪」と明かされなかった「反社の影」

 カジノ狂いの三代目が、自らの罪を認め、東京地検特捜部に逮捕された。

 一時は、「返済できる金額だし、何の問題もない」と、開き直っていた井川意高・大王製紙前会長だが、特別背任容疑で逮捕された11月22日、弁護士を通じて公表した「お詫び」では、会社と顧客、そして「世間の皆様」に、100億円余りのカネのほとんどをカジノで散在したことを認め、陳謝している。

 会社側は、早くから検察に井川容疑者の野放図な会社資産の散財を相談、検察は第三者委員会を設置させ、その調査を踏まえた会社側の告発を受け、「特別背任容疑で年内逮捕」のスケジュールを立てていた。

 逮捕が22日になったのは、11月20日に終了した「大王製紙エリエールレディスオープン」に悪影響を与えたくないという会社側の都合で、会社が刑事告発、告発された前会長が罪を認めているという意味で、立件に何の支障もない事件だった。

 昨年、大阪地検で証拠改ざん事件が発覚、信頼が地に落ち、組織改革と捜査検事の意識改革に取り組んできた検察にとって、非常に手がけやすい事件であり、「リハビリ案件」といわれる所以である。

 ただ、手軽にまとめれば、「積み残し」もある。

役員、監査法人の罪

 遊びを含めて超ワンマンで知られる父・高雄元会長から「帝王学」を授けられた井川容疑者は、子会社の役員に電話をかけ、「明日までに(個人口座に)振り込むように」と命じ、役員らは逆らえなかったという。

 それが「大王製紙の体質だった」というのだが、仮にも一部上場企業の形態を取り、取締役、監査役、監査法人などのチェックが入るシステムになっているのに、それが放置されていたのだから、井川容疑者の“暴走”を許した面々の罪も問うべきだろう。

 役員は、善管注意義務違反を犯し、株主、投資家、従業員を裏切った。

「井川家に逆らえなかった」が通るハズもない。井川容疑者は、「担当役員らは単に私の要請に応じてくれたに過ぎず」と、「お詫び」のなかで“配慮”するのだが、おこがましいというしかない。

 監査法人も同様で、昨年3月期の時点で、井川容疑者への「個人的貸付」に気付きながら、使途の追及を怠り、そのまま承認した罪は重い。

 一度、捜査着手したら「事件を縦横に延ばす」のが特捜流と呼ばれ、西松建設の外為法違反事件を、小沢一郎不正献金事件に強引に持って行くなど行き過ぎを生んだのは事実だが、今回のように無難にまとめるだけでは事件を矮小化する。

 そのバランス感覚は難しいものの、「政官財の監視役」として特捜検察を置くのなら、本質へ切り込む意欲を忘れてはなるまい。

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