福島原発「現場作業員」の安全を守るために
造血幹細胞の事前凍結保存を進めよ

菅政権は人命を軽視している
菅首相にはリーダーの持つべき基本的資質が欠けている。

 震災・原発事故への対応について、相変わらず政府の対応はちぐはぐで、被災者の不満は頂点に達している。

 民間の動きのほうが、要を得ており、しかも早い。菅首相には、「みずから責任を取る覚悟で人を動かす」というリーダーの持つべき基本的資質が欠けている。

 菅首相が原発事故で新たな避難の対象になった地域を訪れても、家を、農地を、そして家畜を棄てて住み慣れた故郷を出て行く人々への共感を呼ばない。

 かえってくるのは怒号のみである。危機で絶望的になっている人々への思いやりではなく、責任逃れと政権への執着のみを嗅ぎ取るから、怒りの声があがる。

政府はヨーロッパの専門学会の申し出を断った

 原発事故に対して、献身的な努力をしている現場の作業員たちを被曝から守り、万一の場合の備えをするのは政府の役割である。大量被曝があった場合に備えて、自己の造血幹細胞の事前凍結保存をしておくと、万が一の場合、それを移植することで延命できる可能性がある。

 虎ノ門病院では、すでに自己末梢血幹細胞採取の体制が整っている。さらに関連学会に属する全国107施設も協力を表明している。ヨーロッパの専門学会(EBMT)も協力を申し出ている。しかし、政府は、そのような対応は不要だと言っている。

 費用は一人当たり15万円くらいだというが、それくらいのお金を政府や東電が出し惜しみすることはない。原発は再建設できても、人の命は失われれば二度と戻ってはこない。

 造血幹細胞の採取には4,5泊の入院が必要であるが、これを1泊に短縮させるための薬(国内では未承認)も虎ノ門病院では準備してある。この問題への対応を怠っている菅内閣は、人命を軽視する内閣だと言わざるをえない。

 このような菅首相の威勢が厳しく問われたのであろう。24日に投票が行われた統一地方選挙第2ラウンドでも、民主党は大敗した。有権者からも退場勧告を突きつけられたと言ってよい。今後、民主党内外から菅おろしの嵐が吹きすさぶであろう。

 国内のみならず、海外からも菅内閣への不信感が強まっている。原発事故の収束に向けて、東電が工程表を発表したものの、全く先が見えない状態に世界中が苛立っている。

 チェルノブイリ25周年ということもあって、福島第一原発事故に対する関心が高まり、それが日本の食品や工業製品にまで風評被害を及ぼし、輸出にブレーキがかかっている。また、来日する観光客も激減しており、その経済的被害は甚大である。さらに、中国人労働者など海外からの働き手も帰国し、様々な業界で人手不足が顕著になってきている。

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