前回のコラムで、復興は遅いが、増税は凄いスピードで話し合われていると書いた。復興財源で、つなぎ国債を出して来年から3年間増税して、そのまま社会保障財源に転じて恒久増税化するという財務省増税マニアが仕組んだとしか思えないような話もある。
さらにこの時期、もう一つ超スピードで検討されているものがある。東電の賠償問題だ。
正直いって、復興よりも増税と東電問題だけが迅速に対応されていることに違和感がある。財務省と経産省がやりたい放題だ。増税と東電問題は密接に関係していると私はみている。
東電問題で今出ている政府案は、今回の賠償に備える「原発賠償機構(仮称)」を新設し、賠償の財源は国が拠出する交付国債や金融機関からの融資で賄うというものだ。
仕組みに目を奪われ、誰の負担かを忘れるマスコミ
マスコミは、新機構や勘定などの仕組みに目を奪われて、誰が負担するかという本質的な話を忘れて記事にする。
私は役人時代に金融機関の不良債権処理や金融機関の破綻処理実務をやっていたが、その時にも、スキームを書いた図を作ると、マスコミはその図の説明ばかり求めて、肝心の誰が負担するかを質問してこなかった。だから、負担関係を争点化しないために、目くらましとしてわざと手の込んだスキームにしたこともある。
負担関係をきっちり把握するには、東電のバランスシートを見なければいけない。資産は13.2兆円、負債のうち流動負債1.9兆円、固定負債8.8兆円(うち社債4.7兆円)、純資産2.5兆円(2010年3月末。連結ベース)。
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