ユーロ信用不安が東欧・新興国へ拡大
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 昨年5月のギリシャに端を発した、ユーロ圏の信用不安問題は一段と拡大している。主な拡大経路は三つある。一つは、フランスなどのユーロ圏中核国への拡大である。ギリシャの信用不安は既にイタリアに飛び火し、それがフランスやオランダなどの中核国にも拡大している。

 二つ目は、西ヨーロッパから東ヨーロッパ諸国への波及だ。元々、東欧諸国の経済は磐石名基盤を持っているわけではなく、西欧諸国からの資本流入に依存している部分が大きい。ギリシャやイタリアの国債価格下落によって、ユーロ圏諸国の金融機関の経営状況が悪化し、それに伴って東欧諸国から資金を引き上げるようなことになると、東欧諸国の経済は大きく落ち込むことになるだろう。

 そして三つ目は、新興国への影響の拡大だ。元々、ブラジルやインドなどの新興国は、資本を海外投資資金に依存する部分が大きい。先進国の投資資金がリスク縮小のため、新興国から資金を引き上げることが考えられる。それが本格化すると、資金不足によって、新興国の経済活動が阻害される可能性が高い。そうなると、今まで世界経済を牽引してきた新興国の経済にも、暗い影が投げかけられることになる。

信用不安がユーロ中核国や東欧諸国に拡大

 10月下旬までは、ユーロ圏の信用問題は、基本的にギリシャやポルトガル、スペインなどの南欧諸国に限られていた。ところが11月に入って、信用不安の連鎖がフランスやオランダ、オーストリアなどユーロ圏の中核をなす"優良国"にまで波及し始めた。

 その背景には、経済規模の大きいイタリアなどの信用問題の深刻化によって、国債市場の不安定さが一段と鮮明化したことがある。特に、発行残高の大きいイタリア国債の価格が下落し始め、それがフランスなどの金融機関の経営状態にまで懸念が広がっている。金融機関の経営状態が悪化すると、最終的には国が公的資金を注入する必要が発生する。それが現実のものになると、中核国の財政状況がさらに悪化することが想定されるのである。

 そうした信用不安の拡大によって、ユーロ圏の金融機関は、東欧諸国から資金を引き上げる可能性が高くなるだろう。それは、東欧諸国にとって無視できない障害になるはずだ。ハンガリーやスロベニアでは、既に通貨や国債が下落傾向を示し始めている。これから、そうした動きが加速するようだと、東欧諸国の景気はさらに落ち込むことは避けられない。

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