村上誠一郎インタビュー「野田政権にはまかせていられない。日本の技術を駆使してゆっくり脱原発をすすめよ」
村上誠一郎元国務大臣(行政改革・地域再生・構造改革特区担当)・内閣府特命担当大臣(規制改革・産業再生機構担当)。曽祖父 村上紋四郎(衆議院議員、今治市長、愛媛県議会議長、宮窪村長)祖父 村上常太郎(最高検察庁次長検事、弁護士) 父 村上信二郎(衆議院議員、防衛庁審議官) 伯父 村上孝太郎(大蔵省事務次官、参議院議員)という華麗なる家系でもある。岡田克也元外務大臣は義弟。
小泉純一郎元総理が郵政民営化の是非を問おうとした「郵政解散」に反対。「こんなことは許されない」と解散閣議に辞表を持って説得しようとした。今年5月、鳩山由紀夫元総理らとともに永年勤続25周年の表彰を受けた。福島第一原発事故後、自ら先頭に立ち超党派の勉強会「原発対策国民会議」を開催。原発事故の究明と対策に乗り出す。

聞き手:辻野匠師(ジャーナリスト)

 TPPは「突然(T)ポッと(P)出てくるプログラム(P)」の訳なんだ。民主党政権というのは今の野田政権も同じだが、何らの根回しもしないで思いつきで政策を出してくる。

 民主党政権で日本はメルトダウンが始まった。大きな問題として財政、外交の破綻。続いて福島原発事故対応の失敗。外交問題から行くと普天間問題で鳩山由紀夫元総理は「基地は最低でも県外」と言い、CO2問題では25%削減を掲げた。

 また、菅直人前総理は参議院選挙で消費税率10%をいきなり言い出した。民主党のマニフェストには子ども手当、高速道路無料化、農家の戸別所得補償、高校無償化といういわゆる4Kの予算バラマキがある。「税と社会保障の一体改革」「脱原発」等々、ほとんど誰にも相談せずに、菅前総理などは突然表明した。

 にもかかわらず2人の総理が言ってきたことはこれまで何一つ実現していない。鳩山元総理にしても菅前総理にしても打合せや根回しなく、思いつきで言っているからである。よって日本はどんどんメルトダウンしていっている。

日米関係を戦後最悪にした

 財政面から言うと、国民資産が1450兆円あるから大丈夫だ。少し余裕がありそうだと国民は思っているようだ。

 だが、住宅ローンを引くと1060兆円位しかない。国の借金は来年度末までで1024兆円になり、赤字国債を発行する余裕はほとんどないのである。それでも民主党政権は昨年44兆円、今年も44兆円の赤字国債を発行し、今年の概算要求でも99兆円の予算を組もうとしている。税収低迷の折から赤字国債の発行は50兆円を超えるかも知れない。

 そうなると日本は早晩、債務超過になってもおかしくない。ヨーロッパはギリシャ財政問題で大騒ぎしているが、ギリシャの債務はたかだか30兆円でしかない。ギリシャと同様の問題がスペイン、ポルトガル、イタリアへと波及していけばもっと重大なことになる。

 アメリカも現在ドル安だが、日本がここまで来れば円、米ドル、ユーロという大変な事態になりかねない。今は相対的に円高であるがこれが円安とインフレになる可能性もあるのだ。

 こうなった場合、外国から石油などのエネルギーや食糧も買えなくなる。

 外交問題で言うと鳩山元総理があまりにも国際政治を理解していないため「最低でも県外」「トラストミー」と言ってアメリカに「彼はルーピーだ」と言われてしまった。その挙句、「勉強すればするほど海兵隊の存在が抑止力として重要なことが分かった」といって総理辞任。日米関係が戦後最悪となる原因を作ってしまう。

 北朝鮮は米国がいなければ日本なんて怖くないとばかりに6カ国協議にも応じず、韓国のヨンビョン島を攻撃。中国は尖閣諸島を「自国の領土だ」虎視眈々と伺う。ロシアは北方領土にメドべージェフ大統領らが乗り込み領土固定化を推進しているし、韓国の国会議員も北方領土視察を行っているのだ。さらに韓国は竹島をより強固な基地化にしようと動いている。戦後66年、これほど日本の地位が低下したことはない。

 中国の最終目的は沖縄であるという政治学者もいる。アメリカがフィリピンの火山爆発を契機にクラーク空軍基地、スービック海軍基地を撤退したあと、中国は鬼のいぬ間の洗濯とばかりに南沙・西沙諸島に進出した。そのため南シナ海は中国による新たな領土問題が勃発している。ベトナムも戦争で戦った米国を頼りにしているのだ。

 北方領土問題でいえば鳩山由紀夫氏の祖父鳩山一郎氏が日ソ共同宣言を締結し日ソ平和条約を結んだ直後、直ちに歯舞諸島、色丹は日本に返還するとしていたが、ロシアはこれを反古しかねない状況だ。

 2010年11月23日、北朝鮮によるヨンビョンド砲撃が起こった。韓国には韓米安保条約がある。北朝鮮の砲撃には中国の後ろ楯がないと出来ないと考えられる。

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