中国
「中国への補償はどうなる」「原爆を福島に隠してるのか」
大荒れとなった日本政府の中国向け「東日本大震災説明会」

「中国日本商会」HP

「1分間の黙祷!」

 4月18日に北京の長富宮飯店(ホテルニューオータニ)「芙蓉の間」で開かれた2011年の中国日本商会の総会は、異例の起立&黙祷から始まった。中国全土から集まった日系企業の現地代表195人と、丹羽宇一郎大使以下、政府機関職員など、総勢300人余りの背広姿の面々が、立ち上がって一斉に頭を垂れる。その異形を、給仕係の中国人女性たちが、きょとんとした目で見守っている。

 黙祷が解かれ、丹羽大使が、重々しい口調で挨拶した。

「3月11日の地震発生以来、皆様も日々感じておられるように、中国における日本への風当たりは、大変厳しいものがあります。4月8日には、日本からの一部物品に関して、輸入禁止措置が出されました。5月の大型連休を前にしても、中国から日本へ向かう旅行客は、かなり少なくなっております。

 日本の状況も、私が得ている情報によれば、復興はかなり長引くようであります。中国において企業活動をされている皆様には、復興に際して、中国発でどのような協力ができるのかを考えていただきたい。そうしたことを、こちらから日本政府に具申していく必要があります」

東京など12都県の物品が輸入禁止

 日中貿易は昨年、3000億ドル規模に成長し、中国は日本にとって、揺るがぬ最大の貿易相手国だ。その牽引役である中国日本商会の、毎年春に行われる総会はといえば、バブル経済華やかなりし頃の東京証券取引所の「大納会・大発会」にも似た雰囲気があったものだ。それが今年の、この告別式のような静けさはどうだろう。

 丹羽大使が図らずも述べたように、地震発生から1ヵ月半が経ち、日中間の貿易関係に、「黄信号」が灯り始めている。

 すでに、東京都を始め、福島県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉県、宮城県、山形県、新潟県、長野県、山梨県、埼玉県の12都県産の物品が、全面輸入禁止。それ以外の産地のものでも、「放射能検査済み証明」が義務づけられるというものものしさだ。そのため各日系企業とも、かつてない「逆風」にさらされているのである。

 さて、中国日本商会の静かな総会の3日後、同じ長富宮飯店の「芙蓉の間」で、今度は'大荒れのイベント'が開かれた。日本大使館が主催した「東日本大地震影響説明会」である。

 福島第一原発の事故に関して、中国側の理解を得ようと、中国の約80社のマスコミ、それに官僚、国有企業関係者など、200人余りを招待し、「日本はいかに安全か」という説明会を開いたのだ。この説明会には、現地日系企業用の「傍聴席」が若干あったので、私も入れてもらった。

 まずは、JETRO(日本貿易振興機構)の北京所長が、「中国はわが国の最大の貿易相手国であり、'風評'ではなく正しい認識を持ってほしいという意味で、世界に先駆けてこうした会を持った」と、趣旨説明を行った。さらに日本大使館の経済部公使も同様の前口上を述べた後、メインイベントに移った。

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