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連続追及 われらの年金を返せ!
第7弾 年金は60歳からもらった方が賢い

 いつどうなるかも分からない年金制度なら 反対する識者も少なくないが、我慢しないで繰り上げてもらおう

 年金受給は65歳からに引き上げられたが、本当に65歳からちゃんと受けとれるのか、それすら怪しい。実は年金の受給開始年齢は自分で決められる。多少減額されるが、希望すれば60歳からもらえるのだ。

もう自衛するしかない

 年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられ、さらに70歳まで引き上げる案が検討されていることが判明し、国民の怒りを買っている。

 世論のあまりの反発に驚いた小宮山洋子厚労相は、11月9日、年金支給開始年齢の引き上げ法案について、少なくとも2年間は提出するつもりはないと述べたが、政府=厚労省に対する不信感は簡単には拭えない。

 政府は「65歳から」と決めたが、実は年金の受給開始年齢は60~70歳の間で自由に選択することができる。65歳からを「基準額」に、早く受給開始すれば毎月の受給額はより少なく、遅くすればより多くなるのだ。新聞はじめ、多くのメディアや論者は「手元資金に余裕があるなら、年金は65歳より繰り下げて受給したほうがいい」と主張している。

「繰り下げ受給派」の北村庄吾氏

「今、銀行に1年預けても利率は0.01%ですが、受給開始年齢を繰り下げておくと、計算上では1年間で8.4%の高利回りで受給額が増えていきますからお得です。最近は平均寿命が延びていく傾向にもあるので、年齢を繰り下げて年金受給したほうがいい」(社会保険労務士の北村庄吾氏)

 一方、それとはまるで反対の意見を持つ識者がいる。ジャーナリストの嶌信彦氏が言う。

「人々はすでに日本国を信頼していませんし、世界を見渡しても、アメリカのマーケットもヨーロッパのマーケットも駄目で、年金財政の運用先がない。経済自体がすぐに上向かないから、年金はもらえるうちになるべく早く確保しておき、その上で自分なりの防衛策を立てる方がいいと考えています」

 高齢化を見越して、目先より将来の年金額に期待すべきなのか、もらえるものはできるだけ早いうちにもらっておくべきか。われわれはどちらを選べばよいのだろう---。

 現在、基礎年金(国民年金、及び厚生年金の定額部分)の支給開始年齢は65歳であり、厚生年金(報酬比例部分)の支給年齢も順次引き上げられ、'25年までには65歳からになる。

 基礎年金は、本人が希望すれば、繰り上げて受給することができる(繰上げ請求)。ただし、月々の額は一生涯減らされる。逆に、70歳まで受給開始を遅らせることもでき(繰下げ請求)、この場合は開始年齢に応じて、月々の受給額が生涯増額されたままになる。

 受給開始年齢を変更した場合、支給額はどのくらい変化するのか。

「支給開始時期を1ヵ月繰り上げるごとに0.5%減額されます。1年で言えば6%ですから、60歳から受給した場合、最大30%の減額となります。反対に、受給開始年齢を遅らせると、1ヵ月ごとに0.7%増額される。70歳から受け取るとすると、最大で42%ほど、生涯にわたって増額されます」(目白大学教授の宮武剛氏)

 基礎年金を満額受給した場合、年間で78万8900円になる。60歳まで繰り上げて年金をもらい始めると、そこから30%減額されるので、年間支給額は55万2200円。月額にすると約4万6000円だ。満額を受給したときは、ひと月あたり約6万5700円もらえるから、2万円ほど少なくなる。

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