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週現スペシャル
大病院の裏側---本当は何を考えているのか

 大病院だから安心できる。はたしてそれは本当か。何か違う、どこかおかしい。そう思っても、忙しそうに働く医師たちを見ると、聞きづらい。あなたの知らない大病院の論理と感情を詳らかにしよう。

透析患者は〝金の成る木〟

 患者の命を救うためならどんなことでもしてくれる---まさに理想的な医療だが、現実はそのように都合良くは運ばない。救急患者や妊婦が多数の病院に受け入れを拒否された、いわゆる「たらい回し」が起こってしまうこともある。多くの患者が頼みとしている大病院でこうしたケースが起こるのは、患者には言えない〝裏事情〟があるのだ。

 医学博士で医療ジャーナリストの森田豊医師が語る。

「多くの一般の方は大きな総合病院は黒字だろうと思っているかもしれませんが、現実は違う。ほとんどの大病院は、慢性的な赤字を抱えて苦しんでいるんです」

 いま、テレビ朝日系で放送中の医療ドラマ『DOCTORS~最強の名医~』が注目を集めている。赤字を抱え、患者優先ではなくカネ儲けに走っている大病院を、一人の外科医が立て直していくというストーリーだ。森田医師は、このドラマの医療監修を務めているが、舞台となっている大病院は、けっして架空のものではなく、現在の医療現場の投影だと断言する。「どこの大病院も、大なり小なりおカネ儲けを考えざるを得ないほど深刻な赤字」だというのだ。

 なぜそれほどまでに赤字になるのか。理由は後述するとして、まずこのような慢性的な赤字から抜け出すために、病院ではどんな工夫がされているのか。そこから、普段なにげなくかかっている病院の「本音」が見えてくる。

 糖尿病や腎臓病が進行して腎不全となり人工透析---あなたの身近にも、そんな人がいるかもしれない。この人工透析の患者が、病院にとっては〝金の成る木〟になるという。

 米山医院院長の米山公啓医師が解説する。

「人工透析になったら、その患者さんは一生透析を受け続けなければなりません。受けないと命に関わるので必ず病院に通います。病院側からしてみたら安定した収入が見込めるし、人工透析の診療報酬も高いので、より収入源になるのです」

 透析患者一人にかかる医療費は年間約500万円とも言われている。「医療費を下げるためには、一生透析を続けるより、1回の腎移植をすればいい。だけど、このような安定した収入を守るために、腎移植を促進したくない人々がいるのが、現状」(米山医師)だという。

 より多くの収入源を抱えようとして、他の施設から患者を回してもらい、紹介者に報酬を渡していたという事件も、今秋発覚した。堺市の医療法人が、元腎臓病センター代表の医師から透析患者約220人の斡旋を受けた見返りとして、4年間で1億3000万円もの裏金を渡していたのだ。