中谷巌 第3回 「この20年間、アメリカに押しつけられた改革で日本が失った2つのもの」

撮影:立木義浩

vol.2はこちらをご覧ください。

中谷 この20年間、アメリカが日本にこうしろと押しつけてきた改革はなんだと思いますか。日本独特なもので失わされたものが、大きく2つあります。

シマジ よくいわれている「失われた20年」というのは、ある意味でアメリカが日本になにかを失わせた20年間なんですか。

立木 シマジ、ネスプレッソをゆっくり飲んでよく考えなさい。

シマジ 20年間と区切っていわなくても、戦後、アメリカは日本を楽に支配しようとして、まず教育をいじり、いまでは国歌さえ歌わない、また国旗さえ掲揚しなくなった誇りなき国民にしてしまったことでしょう。これはアメリカにとって大成功しましたよね。いま日本人は完全に骨抜き人間にされてしまったといえます。

中谷 大きくいえばその通りでしょうが、直近でいえば、まず1つは日本の官僚システムに手をつけたことです。いままでアメリカの横暴さに立ちはだかったのは、じつは日本の優秀な官僚たちだったのです。これまで一般の日本人も能吏たちを信用してきたのですが、アメリカは「日本の官僚は悪い奴らだ」と日本のマスメディアを使ってディスインフォメーションを流した。新聞、テレビ、雑誌がこれに乗っかって大衆を洗脳したんです。

シマジ これは重大な問題ですね。日本の優秀な官僚システムが崩れたことはゆゆしいことです。明治以来の堅牢な官僚組織に対して「官僚は悪い。すべては官僚が悪い」という風潮が激しくなったのはいつごろからでしたか。

中谷 旧大蔵省官僚たちの「ノーパンしゃぶしゃぶ問題」がマスコミで取り上げられて騒ぎ出したころからです。

シマジ じゃあ1990年代の後半か。アメリカは巧みにマスコミを使って、日本の大衆を煽るのはむかしからじつに巧いですね。