ソフトバンクやアリババの名前まで飛び出す
いったい米国ヤフー!は誰に買われるのか
転落とまらぬ迷走経営の行方

CEOに復帰してヤフーの戦略を解説するジェリー・ヤン氏(2008年1月、国際家電ショーで筆者撮影)

 過去2ヵ月、米国ヤフー!の身売り先探しは迷走している。「もう、ヤフー!がたどる道は部門別売却しかない」「ジェリー・ヤン氏はボードメンバー(役員)から退くべきだ」相次ぐ不手際に、米国のメディアは苛立ちを隠せず、次第に批判が広がっている。同買収劇は今週、中国ネット検索大手アリババやソフトバンクの名前が飛び出し、新たな展開が始まった。今回は、過去2ヵ月に渡って混乱が続く米国ヤフー!身売りの行方を追ってみよう。

利益背反におちいったジェリー・ヤン氏

 90年代、インターネットの申し子として一世を風靡した米国ヤフー!は、グーグルとのオンライン広告競争に敗れ業績不振が続いている。しかし、メディアや投資家は業績問題よりも、同社ボードメンバー(役員会)や経営の実権を握るジェリー・ヤン氏(Chief Yahoo)の迷走経営に批判の矛先を向けている。

 11月4日、米国ヤフー!の大株主、サード・ポイント社(Third Point LLC)は「売り手と買い手を兼ねることはできない。ヤン氏は株主の利益を代表する立場にはない」と厳しい批判を公にし、ジェリー・ヤン氏にボードメンバー辞任を求めた。

 過去2ヵ月に渡って、米国ヤフー!は身売り先を探している。その一方で、経営権維持に執念を燃やすジェリー・ヤン氏は、個人的に同社買収を計画している。そのため、売り手と買い手を兼ねる利益背反(コンフリクト・オブ・インタレスト)にヤン氏は陥っている。

 一般に、上場企業のボードメンバーは買収交渉にあたって、株主の利益が最大になるように適切な行動をおこなわなければならない。他社の買収条件を評価しなければならない立場にありながら、ヤン氏は投資銀行などと相談し、自ら買収の準備も進めている。これは一種のインサーダー取引にあたる。

 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙を筆頭に大手メディアはこれを大きく報じ、同氏の非常識な行動に対して厳しい論調が広がっている。

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