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オリンパス巨額粉飾事件でこれから暴かれる金融マンの役割と1424億円の行き先
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 オリンパスの巨額粉飾事件は、現段階ではわりにシンプルな構造である。

 1990年代から有価証券などの投資に失敗、その損失を野村證券OBらの「飛ばしスキーム」で先送りしていたが、2008年3月期決算で清算しようと、法外なFA(ファイナンシャル・アドバイザー)手数料と、法外な国内3社の買収価格に"上乗せ"。そこで得た1424億円で処理したというもの。

 20年近くもの間、バレなかったのは、「秘密」の共有者を絞り込んでいたからである。まず、下山敏郎、岸本正寿、菊川剛の歴代社長に、「飛ばし」に初期から関わった森久志前副社長、山田秀雄前常任監査役など、社内でも数人に限られていた。

 火付け役となったマイケル・ウッドフォード前々社長が知らなかったのはもちろん、巨額粉飾を認めた8日の記者会見で、高山修一社長が「前日の夜、森副社長に打ち明けられるまで知らなかった」といったのは、正確ではないが正しい。

 正確には、「734億円での高額M&Aなど、怪しい"操作"が行われていたのは知っていた」が、「それが何の目的で行われているのは知らなかった」というものだ。

 つまり、見て見ぬふり。粉飾の共犯、最低でも取締役としての善管注意義務違反は免れず、徹底的に調べ上げて孤軍奮闘、10月14日に解任されてからは、内外のマスコミの取材に応じ、捜査当局に協力、疑惑を暴いたウッドフォード氏との違いは大きい。

 逆にいえば、隠蔽も清算も主導した菊川前会長は、サラリーマン役員の習性を利用して統率、野村證券OBを始めとする外部協力者の"協力"を得て最終処理、一度は幕引きに成功したわけである。