民主党は「7月参院選」で勝てるのか
大物応援投入の長崎県知事選挙で惨敗

 こんな政権運営をしていて、民主党ははたして7月の参院選で単独過半数確保に必要な60議席を獲得できるのだろうか? 民主党は来年度予算が成立する見通しの4月以降に局面転換させることを狙っている。だが、民主党政権に対する期待は消えかかっている。

 折しも、与野党対決型となった21日投票の長崎県知事選で、民主、社民、国民新各党推薦候補が自民、公明両党が支援する候補に大差で敗れた。

 長崎県は、昨年の衆院選で民主党公認候補が県内4小選挙区すべてで勝利し、過去2回の参院選でも勝っている「民主党独占県」。

 国土交通相・前原誠司、農水相・赤松正隆、総務相・原口一博、参院議員・蓮舫らを次々と応援に投入、一部で自民党も顔負けするような利益誘導選挙を展開した。本来なら楽勝してもいい選挙だった。

 にもかかわらず、敗北したのは首相・鳩山由紀夫と幹事長・小沢一郎の「政治とカネ」が響いたからだ。敗北は民主党政権にとって打撃であり、参院議員会長・輿石東は「地方選とはいえ、結果が国政や参院選に全く無関係とは言えない」と述べ、敗北が政権運営に与える影響を認めざるを得なかった。

 小沢自身がてこ入れした東京都町田市長選でも推薦候補が敗れ、都市部でも民主党の勢いがそがれつつあることを裏付けた。

 敗北の兆候はあった。小沢の資金団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、小沢の秘書3人が起訴された(小沢は不起訴)直後、今月5、6の両日行った朝日新聞と読売新聞の世論調査結果を見ると、今夏の参院選における比例代表の投票先で朝日が民主34%、自民27%、読売が民主27%、自民22%だった。

 その差は朝日で7%、読売で5%にまで接近した。民主党にとってとりわけ深刻なのは、無党派層の投票先は朝日で民主16%、自民22%、読売で民主7%、自民12%-と自民党を下回ったことだ。長崎県知事選の出口調査でも、無党派層の39%が自民党に流れ、民主党には28%にとどまった(朝日調査)。

 昨年8月30日投票の衆院選比例代表の出口調査で、無党派層は朝日調査で民主53%、自民15%、読売調査で民主52%、自民16%-と民主党にかなり多く投票したことを考えると、様変わりだ。

 また、鳩山が起死回生策として枝野幸男を行政刷新担当相起用した後の朝日新聞世論調査(20、21の両日実施)によると、参院選で民主党が単独過半数を「占めた方がよい」が31%、「占めない方がよい」が55%だった。民主党への支持が明らかに変調を来している。

なおも小沢が握る「辞任カード」

 もちろん、これで民主党が参院選で敗北すると決まったわけではない。7月11日に予定される参院選投票までまだ5カ月近くあるし、権力を使ってさまざまな政策を打ち出し、耳目を集めることができる。それに、選挙の実戦を考えると、こんな事情もある。

「民主党にはスターが多い。大臣から蓮舫さんまで30人ぐらいいる。実際の選挙となると、これがバカにできない。動員力がまるで違ってくる。

 それに対して、こっちは舛添要一前厚生労働相、石破茂党政調会長、小泉進次郎衆院議員ぐらいのもんでしょう。地元の支持者から『谷垣さん(禎一総裁)じゃ人が集まらないよ』と言われる。大島理森幹事長も谷垣さんと同じくらい地味だし・・・」(自民党中堅議員)

 加えて、小沢が辞任によって局面転換を図る「辞任カード」が残っている。昨年も、3月3日に西松建設事件で小沢の秘書が逮捕され、同29日投票の千葉知事選で民主党などが推薦する候補が現知事・森田健作に敗れた。その後、5月11日に小沢が党代表を辞任した。
鳩山が代表に就任し、小沢が選挙担当の代表代行に就任したのが功を奏して、民主党は夏の衆院選で圧勝した。

 小沢は満身創痍(そうい)になりながらも、着実に選挙準備を進め、参院島根選挙区では自民党前参院議員会長・青木幹雄に対抗して地元テレビアナウンサーの岩田浩岳の公認を発表した。民主党は昨年と同じ経緯をたどるのか、それとも「鳩山-小沢体制」で中央突破を図るのか・・・。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら